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この夏、ちょっと風変わりなドキュメンタリー映画が上映されます。
「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」。2004年から今も続く、オランダ・アムステルダム国立美術館の改装工事。 工事開始から、記録のために舞台裏を撮影していたカメラは、工事計画が紛糾し、人々が右往左往するという、 当初の予定からだいぶ違う状況も迷わず映し続けます。そのリアルな切り取り方で、なんとも見ごたえのある ドキュメンタリーに仕上がっています。
もちろん、普段は見られない美術館の裏側、収納庫、絵画改修の現場も見ることができ、美術ファンには たまりません!ここでは、この映画をもっと楽しく見られる本の特集をお届けします。



“市民のための美術館”をめぐって、てんやわんやな大騒動が勃発!!

レンブラント「夜警」やフェルメール「牛乳を注ぐ女」など傑作を所蔵する、ヨーロッパ有数のアムステルダム国立美術館。その大規模な改築工事が2004年に始まった。
このドキュメンタリー映画も撮影開始。興味深い美術館改築の裏側を記録し、2008年の美術館リニューアルオープンに合わせて、華々しく公開される予定だったが、思いがけずに計画は踊る。地元住民の反発からはじまって、二転三転…。なんと、2010年現在も工事中のまま、今のところ2013年に完成予定。それでもカメラは止めずにその舞台裏を記録し続けた。
力強くプロジェクトを進めようとする館長、美術館を愛し壁のひびの一つ一つまで覚えこんでいる警備員、日本の金剛力士像を熱愛し購入するアジア展示担当者、自信作を覆され続ける建築家。全ての人の泣き笑いが克明に刻まれた、おそるべき映画がこの夏、公開されます!

『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』公式サイト


1808年に前身の「ナショナル・アート・ギャラリー」
として設立された後、
数回の移転を経て、1885年に現在の地に建設。
17世紀オランダの名画を中心に所蔵しており、
代表作は以下のとおり。
美術館本館を大改修中は、別棟で一部の展示を
続けている。
主な所蔵作品
フェルメール:「牛乳を注ぐ女」「手紙を読む青衣の女」
「小路」「恋文」
もっと詳しく知りたい方には、こちらの本をお勧めします。
『NHK世界美術紀行2』

オランダの3つの美術館(ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム国立美術館、マウリッツハイス美術館)と、その所蔵作品について、隠された美しい物語を教えてくれる本。





ヨハネス・フェルメール
「牛乳を注ぐ女」


ヨハネス・フェルメール
「手紙を読む青衣の女」
(表紙画像左)


レンブラント・ファン・レイン
「青年期の自画像」
(表紙画像右)


レンブラント・ファン・レイン
「夜警」


フランス・ハルス
「陽気な酒飲み」



6つのキーワード、6冊の本。この映画をもっと楽しめる本を集めました。
え、どこが関係あるの?と思われそうなものもありますが、観た後にはきっとご納得頂けるはず。


『ミュージアム・パワー』
高階秀爾・蓑豊編

映画の中で、何と言っても抜群の個性で観る人の心にのこるのが、美術館のロナルド・デ・レーウ館長。この本は、世界のミュージアム館長達によるサミットをレポートしたもので、我らがレーウ館長は「マーケットとミュージアム」をテーマに語っています。美術館の完成に向けた彼の構想も分かり、なんともいえない気分になります。





『盗まれたフェルメール』
朽木ゆり子著

オランダを代表する画家のひとり、フェルメール。アムステルダム国立美術館では彼の絵を6点所蔵していて、ファンには必踏の地。そのなかの一つ「恋文」は、ベルギーに貸し出しているときに盗まれたことがあります。それ以外にも、フェルメールの絵はとかく狙われる。数々の事件をまとめたこの本は、泥棒と美術館の戦いを描いて、興味深いです。





『レンブラントの夜警』
ピーター・グリーナウェイ著

レンブラントの代表作にして、彼を破滅に追いやったとされる大作「夜警」。アムステルダム国立美術館のとっても、所蔵中作品最大の名作です。アムステルダム在住の映画監督・ピーター・グリーナウェイが、夜警に秘められた謎に迫るこの本は、同名映画の原作でもあります。勿論、主人公はレンブラント。そして、この絵を描いたその意図は・・・





『美術館・博物館の展示』
デビッド・ディーン著

普通に観覧しているだけでは気づかない、展示順や動線の意図。この映画を見ると、美術館の裏で働いている学芸員の仕事に興味をもつ方もいるでしょう。この本は専門書ですが、一般の美術館好きが見るとまた楽しみがあります。展示の高さ一つとっても理論があり、美術品を食い荒らす害虫対策まで事細かく指南されています。巻末の「展示の段取りのためのチェックリスト」





『自転車のまちオランダ・アムステルダムをゆく』
濱野貴子著

美術館の改装計画に、一番大きく立ちはだかったのが、サイクリスト協会。美術館は門の役割も果たしているので、通行のさまたげになるような改築は許したがたい!と。オランダはなんと、人口一人あたりの自転車保有台数は世界一の「自転車大国」。その様子や、何故そうなったのか。そして、自転車生活の楽しさを、アムステルダム在住の著者が教えてくれます。





『オレンジの呪縛―オランダ代表は何故勝てないか?』
デイヴィット・ウィナー著

さて、この騒動は「オランダ人気質」をよく表していると、映画を監督したウケ・ホーヘンダイクは言っています。オランダ人気質と調べると日本では褒め称える本が多いのですが、オランダサッカーを分析したこの本が、一番ぴったりくるかもしれません。「なぜオランダの選手、監督、協会は、ピッチ外のことで力を使い果たしてしまうのか?」「なぜオランダ人は、何も問題が起きないとかえって不安になり、わざわざトラブルを作り出すのか?」この映画を見終わったあとに、絶対読みたくなる1冊。




ジュンク堂書店池袋本店にて連動フェアを開催予定です。
開始次第、webでもお知らせしますので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
さて、映画をもっと楽しむための特集、いかがでしたでしょうか?
こちらの作品は、8月21日より渋谷のユーロ・スペースを皮切りに全国でロードショーの予定です。
上映スケジュールについてはこちら(『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』公式サイト)から劇場情報をご覧下さい。