書標 2005.7月号
今月の表紙 歳時記〈7月〉 著書を語る 特集1「結婚」 書標・書評
新刊案内 ジュンク堂ベストセラー トークセッションレポート 特集2「戦艦大和」 本屋うらばなし
読者から インフォメーション バックナンバー
今月の表紙  その206 伊丹三樹彦


 神宮の鯉になりたや 睡蓮池

 産経学園(新宿)の俳句講座を担当のため、毎月上京する。20年以上にもなるか。事前に俳句散歩をするが、これは世話人が行先を決める。3時間の範囲なので遠出は叶わぬ。で、6月は明治神宮の花菖蒲を目指した。JR原宿駅から歩いてもすぐである。土曜の為か、大変な人手である。そんな中に、珍奇な服装で人目を引く車座の小ギャル連が居る。それを追うてテレビのスタッフも居る。ついでに、写俳亭もシャッターを切る。神宮の大鳥居をくぐると、新緑の森林浴気分となる。観光外人が予想以上に多い。菖蒲園見物なんて、日本ならではの行事だろう。
 その手前にこの睡蓮池もある。広い水面に睡蓮の一陣二陣が、まるで浮島のように見える。何枚も撮ったが、近景に遊泳する1匹の鯉が出現した。静中の動というべきか。モネや応挙の気分になった。奥の菖蒲園を暫く忘れていた。



(表紙題字 陳舜臣)