書標 2004.10月号
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今月の表紙  その197 伊丹三樹彦



 百地蔵囃すは 虫の音 夜鷹の声

 但馬から丹後へつながる旧街道にこの百地蔵はあった。実際は百以上もあるから、千体地蔵と誇張しても俳句の場合はゆるされるか。
 バイパスが出来た為に、人も車も滅多に通らぬ地道に添うている。
 それでも地蔵盆の頃だった為に、涎掛けがすべて新調されているのには頭が下った。カラフルでよく目立ったが、モノクロ印刷の為に見て貰えないのは、ちょっと残念。
 近頃は都会と田園を問わずマンションが増えたので、地蔵盆が来ても肝心の地蔵が見当らぬ。で、地蔵を寺や辻堂から借りて来て祭る場合も珍しくない。してみると、ここの地蔵は引き合いもなくて勿体ない例になるか。
 越中ではお借りした地蔵様を座敷に上げてのお盆行事をする例もある。地蔵の運命もさまざま。






(表紙題字 陳舜臣)