古くより多くの菓匠の手によって、 紫陽花に見立てたお菓子が 作られてきました。 ある時はその色や形を模して 落雁などの打ち物に。 また別の折には餡種を核として、 そのまわりに紫や赤紫に色づけをした 小さな角切りの寒天をつけたり あるいはふるいの目を通した 細かい色変わりの練り切りをまぶして その様を映したり。 日本人ならこの時季は、なんとしても その名のお菓子を口に運ばなくては……。 吉田菊次郎著 『お菓子な歳時記』(時事通信社)より