書標 2004.6月号
今月の表紙 歳時記〈6月〉 著書を語る 特集80年代という時代 書標・書評
新刊案内 トークセッションレポート ジュンク堂ベストセラー 読者から 本屋うらばなし
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本屋うらばなし

「サンパルふたたび」

 昨年11月に東海地区初出店の名古屋店はオープンした。名古屋駅から東へ五分程歩いたところにあり、周囲にはオフィスビルが立ち並ぶ。途中に案内広告や看板は一切ない。これまでのジュンク堂同様「知る人ぞ知る」といった佇まいである。名古屋店は“専門書のジュンク堂”と言われる原点になった“サンパルブックセンターを再び”というコンセプトで、コミックは置かず、店の大半を専門書が占める。通常より一段多い高さ2メートルを超える書棚が2列にずらっと並ぶ様はなかなかの迫力だ。敢えてBGMを流さず、お客様がゆったりと静かな気持ちで本を選ぶことができるように雰囲気作りをしている。
 昨年、そんな名古屋店への転勤が決まり、友人に報告すると「そう、名古屋。あそこは一種独特だからなにかと大変だろうね。」と言われ、急に不安な気持ちになった。人の話を真に受けやすい性格の私は「名古屋学」(新潮文庫)を隅々まで読み、“えいやっ!”と名古屋へやって来た。それから半年経ったが、予習の効果は? ま、ぼちぼちといったところか……。
 以下は、名古屋ビギナーの極私的で勝手な名古屋所感である。
*夜が早い。(閉店後、呑んだり食べたりできる店がとても少ない。入ってもすぐにラストオーダー……)
*のんびりとしている。(働き者で堅実な名古屋人と言われるが、全体的にどことなくのんびりとしていて落ち着く。)
*親切な人が多い。(見ず知らずの私に時折何かと世話をやいてくれる人たちがいる。)
*年輩の方々が元気。(あちこちで大笑いしている熟年グループをよく見かける。楽しそうで、思わずほっとする。) 
*「〜だがね」「〜だぎゃあ」など、べたな名古屋弁を話してくれる人があまりいない。(これは密かに楽しみにして来たので少し残念。)
 挙げれば切がない。要は慣れない土地で身寄りのない私の様な者でもマイペースで暮らしていける良いところなのだ。来年はご存知の通り愛知万博の年である。これから益々街中が万博ムード一色になっていくことだろう。
 そんな活気のあるこれからのまちで、新参者の私たち名古屋店スタッフは、胸をかりるつもりで日々奮闘中である。
(ま)