 |
今月の表紙 その192 伊丹三樹彦
菜種梅雨 わけても九輪の請花(うけばな)に
大阪の四天王寺へ詣った。久々である。幼少時には、播州三木の田舎から何度か、親に連れられて行ったものだ。西門前のセメント菓子や放生池の亀の記憶が懐しい。
今回は、回廊で、名筆会の人々の出展があり、それには僕たち青玄俳句会の作品が揮毫された為である。
菜の花にとろんと夕日 しゃんと朝日
の拙句は、同会主宰の村上翔雲の筆に或った豪快な作品で、圧倒されもした。
すべてが、夕日を詠った句を対象とした同人連の揮毫作品が、回廊の格子窓を背景に飾られていた。それには訳がある。
彼岸の夕日を拝む名所として四天王寺の西門があるからだ。夕陽が丘の地名は学校の名にも地下鉄の駅名にも選ばれている位。尤もこの日は雨で、塔頂の九輪や請花をしとどに濡らしていた。
(表紙題字 陳舜臣)
|
|