書標 2004.2月号
今月の表紙 歳時記〈2月〉 著書を語る 特集「図書館」 書標・書評
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社会科学  コンピュータ  自然科学  医学書  人文科学  文学・文芸  文庫・新書  芸術  実用書  語学・辞典  児童書

社会科学

 20世紀の戦争とは何であったか
木畑洋一編 大月書店 2800円
 20世紀の戦争は総力戦の時代といわれる。この時代の戦争が世界にもたらした変化がどのようなものであったかを多方面から捉え直し、21世紀の今なお絶えない戦争の原因を考察する。「戦争」に着目して現代世界を読み解こうという試みである「講座 戦争と現代」の第2巻。


 重点講義 民事訴訟法〈下〉

高橋宏志著  有斐閣 4000円

 「重点講義 民事訴訟法」の続編であり、本書では訴訟要件、多数当事者、控訴、再審を中心に、学説・判例の分析から民事訴訟理論を展開。平成15年改正点も解説。


 行動経済学入門
多田洋介著  日本経済新聞社 1900円
 従来の経済学では解けなかった謎や矛盾に対し、人間の経済行動に心理学や認知科学を用いた分析を加えることで解明していこうという「行動経済学」、「経済心理学」の入門書。2002年、ノーベル経済学賞に輝いたダニエル・カーネマンの研究グループの業績の解説でもある。


 経済学思考の技術
飯田泰之著  ダイヤモンド社 2000円
 経済学を理解する上で不可欠な論理的思考法を10のルールにまとめ、経済理論や現在の日本経済を通して学ぶためのテキスト。ロジカルシンキングを身に付けたい人にも有用。


 ゴーゴーバーの経営人類学
市野沢潤平著  めこん 2600円
 タイにおけるセックスツーリズムをその経済的・産業的側面から捉えた研究報告書。特にバンコク中心部に密集するゴーゴーバーに焦点をあて、その営業実態や、そこで働くバーガールへのインタヴューを通して見える男性客との関係の諸相などを詳細にレポート。


 リビング・ヒストリー ヒラリー・ロダム・クリントン自伝
酒井洋子訳  早川書房 1900円
 元ファーストレディーにしてアメリカ大統領の椅子に今最も近いと言われているヒラリーの自伝。軽いタッチのエッセイを思っていたが、彼女の生い立ちから、ビル・クリントンとのホワイトハウスでの8年間に至るまで五部構成721頁の大作で生半な覚悟では読めない。アメリカ批判の本にも食傷気味という読者にはかえって新鮮な読み物かもしれない。


 老兵は死なず 野中広務全回顧録
文藝春秋 1500円
 昨年10月10日の解散をもって政界を引退した著者の手記。独立した著作だが、前作『私は闘う』(文春文庫・524円)と合わせて日本の政界10年史として読むのも良いだろう。


 新聞力
青木 彰著  東京新聞出版局 1600円
 東京新聞に13年にわたって掲載されてきたコラム「メディア評論」の集成。弱体化したメディア、新聞に対して情報の正しい選択と提供を呼びかける。しかしながら、これは新聞の側だけでなく読者に求められる力でもある。昔どこぞの優秀なスパイが、「潜入した先の国での一番の情報源は?」と聞かれた時、「新聞」と答えたそうだ。どんなに報道に制限を加えられる国家であっても読み手の側が情報を取捨選択し理解するよう努めれば、公開されている情報だけでも相当に正確な状況がつかめるとのこと。新聞作る側も読む側も受身になるなよ、といったところか。


 ゲイという【経験】 増補版
伏見憲明著  ポット出版 3500円
 一年半で売り切れたという初版に対談・エッセイを加えた増補版。ゲイライターである著者の集大成である。偏見や好奇の対象として見られることの多いゲイを中心に、性や愛、ライフスタイルを正面から語る。ゲイカルチャーやムーブメントの実態と歴史が凝縮されたこの一冊、ゲイの方はもちろん、セクシュアリティーやジェンダーに興味を持つ方は必読。

コンピュータ

 パソコンでいきいき人生
荒川じんぺい著  岩波書店 1600円
 52歳になってからパソコン操作を習得した著者の元には、いつしか同世代やシニア世代の人々の輪が。パソコンを自分流に上手く使いこなし、生き生きと人生を切り開く人々との出会いとその生きがいをレポートする。



 Linuxから目覚める ぼくらのゲームボーイ!
西田 亙著  ソフトバンクパブリッシング 7600円
 Linuxを入れたパソコンで、ゲームボーイのソフトが作れる! パソコンからプログラムを転送するUSBケーブルと、開発環境CD・ROMがセットになったこの一冊で、オリジナルゲームの作成に挑戦しよう。


 アフィリエイトではじめる ホームページウハウハ副業生活
松本光春著 翔泳社 1380円
 「アフィリエイト」とは、ホームページの運営者と、商品を紹介してもらいたい企業が、お互いに提携を結び、商品が売れたときに双方ともに利益を上げられるような仕組みのこと。少ないリスクでお小遣いを稼ぐ実例が満載。


 熊とワルツを
トム・デマルコ、ティモシー・リスター著  日経BP社 2200円 
 それまでにない視点で開発プロジェクトを論じ評判を呼んだ『ピープルウェア』初版から16年、同書の著者コンビが再び語るのは「プロジェクト管理」。あくまで開発者の視点に立つことを忘れない、あたたかなリスク管理がここに。

自然科学

 フューチャー・イズ・ワイルド
ドゥーガル・ディクソン、ジョン・アダムス著 松井孝典監修 土屋晶子訳  ダイヤモンド社 2400円
 表紙には、アゴ(?)を突き出し、空を飛ぼうとする魚の姿。2億年後にはこんな魚が生息している、らしい。科学的検証を交えた、未来の地球上生命の大胆な仮説を紹介。話題となった前著『アフターマン』も、この機会に是非洋書でどうぞ。



 社会生物学の勝利 批判者たちはどこで誤ったか
ジョン・オルコック著 長谷川眞理子訳 新曜社 3800円
 進化論で知られるスティーブン・J・グルードなど批判者も多かった「社会生物学」をわかりやすく解説し、批判者の曲解を正す意欲作。


 春はどこから さとやま便り
落合けいこ著  どうぶつ社 1500円
 やまね工房でかわいいぬいぐるみを製作している著者による「さとやま通信」をまとめたもの。イラストも文も手作り感があふれており、思わず微笑んでしまうようなあたたかい作品。


 物理学者たちの20世紀
アブラハム・パイス著 杉山滋郎、伊藤伸子訳  朝日新聞社 3800円
 アインシュタイン、オッペンハイマーなど、多くの天才物理学者たちと親交をもった著者が、彼らの知られざる実像を語る。貴重な写真の数々を掲載した“アルバム”も必見。


 環境史年表 昭和・平成編
下川耿史編  河出書房新社 8500円
 開発・公害のみならず、食や生活に関する出来事も細かく掲載している。既刊の『明治・大正編』と合わせ、人類の課題である環境問題を提示した決定版。


 環境の解釈学 建築から風景へ
田路貴浩編 木村 敏、三谷 徹ほか著 学芸出版社 2400円
 建築、景観工学はもちろん、精神病理学や哲学の視点から「環境」の意味を探る。客観的な世界ではなく「生活世界」としての環境を知るための一冊。

 椅子と日本人のからだ
矢田部英正著 晶文社 1800円 
 「長時間座りっぱなしのデスクワークだから腰が痛くなって…」などという現代人のぼやきは本書で解決。床坐民族である日本人の、快適な椅子との付き合い方を説く。

医学書

 中医薬食理論がよくわかる まんが漢方入門
周 春才編著 吉元昭治監訳 医道の日本社 1600円
 「漢方」という言葉はよく耳にするがその理論についてはよく知られていない。古くわかりにくいその理論を簡明に解説しようという試みの本書。まんがというよりはイラスト図解に近い。


 臨床研修実践マニュアル
奈良信雄編 南江堂 6800円
 2004年4月からの臨床研修義務化に伴い、研修を受ける際に参考となるテキストとして作成された。図や表が多く、ポイント・豆知識が随所にちりばめられているので読みやすい。臨床研修医はもちろん、実習を受ける医学生、また指導医にもおすすめ。


 カラーアトラス Dermoscopy
池田重雄監修 金原出版 15000円
 病巣部にエコジェリーを使用することにより皮膚表面からの乱反射をおさえ、肉眼では認識できない様様な真皮表層までの構造を見ることができる画期的な器具ダーモスコープ。その歴史や原理、使用法から各種皮膚疾患までを詳細に記載。全編を通しダーモスコピー所見、臨床写真、組織所見等の美しいカラー写真が満載。





 脳虚血の病態学
浅野孝雄編著 中外医学社 23000円
 脳卒中において脳が損傷する最も基本的な原因である脳虚血。血流が遮断していた時間や範囲によってその後の神経症状や後遺症などの程度が決まる為、その理解は脳卒中治療において不可欠である。本書は脳虚血に関する基礎から臨床までを余すところなく網羅。関係者必読。


 SEIREI栄養ケア・マネジメントマニュアル
川西秀徳監修 医歯薬出版 2400円
 チーム医療における栄養管理のリーダーとして技量が求められるこれからの管理栄養士。その手助けにと作成された、具体的で活用しやすいベッドサイドマニュアル。充実した付録も便利。


 住民参加型福祉と生涯学習 福祉のまちづくりへの主体形成を求めて
辻 浩著 ミネルヴァ書房 2800円
 住民主体のまちづくりをすすめるための視点と方法を明示することがテーマ。抽象化された一般論ではなく、実践の中で生まれた課題について考察する。

人文科学

 「満州国」経済史研究
山本有造著  名古屋大学出版会 5500円
 満州国における国際商品の生産力を、マクロデータを駆使して復元。建国前夜から1940年代までの満州国経済をあざやかに描き出す。経済の軌跡が示す、「満州国」の新たな全体像。


 アメリカの反知性主義
リチャード・ホーフスタッター著 みすず書房 4800円
 「反知性主義」という概念を軸にしてアメリカ史をさかのぼる本書は、アメリカの精神風土を批判断罪するのではなく、知識人とは何か、知識人は民主主義の実現に貢献する力になれるのかと問いかけてくる。アメリカ史の地下水脈を問うピューリッツァ賞受賞作。


 聖書の歴史図鑑
クリストファー・ド・ハメル著 東洋書林 16000円
 人類の文化的所産としての聖書が二千年の間に繰り広げてきた変身・進化、そして生き残りについての波乱にみちた物語、書物としての聖書の歴史を、多数の図版とともにふり返る。



 自由の平等
立岩真也著  岩波書店 3100円
 働ける人が働き、必要な人がとる。一人一人が生きていくこと、その自由を守ることこそ、何より大切なことである。「自由の平等な分配」から始まるオルタナティブな世界への道筋を論じつくす。


 ひきこもり文化論
斎藤 環著  紀伊國屋書店 1600円
 「ひきこもり」をめぐって著者が考えてきた周辺的問題を中心に、その社会的背景から、治療者としての倫理観にいたるまで、今までに展開してきた文化論・社会論的考察を収録。第一人者の精神科医による、ひきこもり論の集大成。


 NHKスペシャル こども 輝けいのち 裸で育て 君らしく
小野瀬健人著  日本放送出版協会 1200円
 「子どもの力、可能性を信じる保育」を続けるアトム共同保育所。一人一人の人間の自我の芽ばえを見つめる場所で、ぶつかりあって大きくなる五歳児たちの自分づくりを長期取材したTV番組の書籍化。

文学・文芸

 ヘビイチゴ・サナトリウム
ほしおさなえ著 東京創元社 1500円
 前半のサスペンス、後半のミステリ、2つの主題がクロスして、独特のほしおワールドをかもしだす。高校を舞台にした青春ミステリ小説の傑作、ついに登場。



 書店&図書館ガイド/東京
レコレコ編集部編 メタローグ 890円
 書店、図書館、カフェ、映画館等、1300件以上の情報を網羅。書店探訪に、街歩きに便利。


 幻夜
東野圭吾著 集英社 1800円
 神戸大震災の日に起きた事件を発端に、物語は一気に展開。99年のベストセラー『白夜行』(集英社文庫・1000円)をクロスしながら衝撃的な結末を迎える。


 本朝聊斎志異
小林恭二著 集英社 2500円
 純愛、不倫愛、同性愛、幻想との愛、幽鬼との愛など、古典から現代まで、さまざまな「愛のかたち」を紡いだ伝奇ロマン群。喜劇、悲劇の大博覧会!


 テクストから遠く離れて
加藤典洋著 講談社 1800円
 いま求められる批評の 原理とは? 小説の核心的〈読み〉を通して、テクスト論・ポストモダン理論の限界と文学思想における批評の停滞を超え、新たな普遍性の原理を提示する。『小説の未来』(朝日新聞社・1800円)も同時発売。


 深淵 上
大西巨人著 光文社 各1800円
 「冤罪・誤判」といわれる二つの殺人事件を通して描かれる、人間・社会のあるべき姿を追求。俗情との結託を排する厳格な文学世界、久々の登場。


 
沢木耕太郎著  朝日新聞社 1600円
 日韓同時開催となったサッカーのワールドカップ。その全期間、日本と韓国のあいだを激しく移動しながら、著者が求めた「二つのもの」とは何だったか? オリンピックを取材した『』(朝日新聞社・1600円)を同時発売。


 ジュネ伝 上
エドマンド・ホワイト著  河出書房新社 各4500円
 孤児として生まれ、社会の底辺を彷徨し、監獄で書いた小説で一躍文壇の寵児となったジュネの伝記。

文庫・新書

 世界の有名人、最期の言葉
レイ・ロビンソン編 ヴィレッジブックス 660円
 ピカソの最期の言葉が「わたしの健康を祝福して乾杯してくれ!」だったとか、レストラン経営者ハーヴィは最期に「ハムはあまり薄く切らないでくれ」と言っただとか、ヴァージニア・ウルフは夫宛ての手紙を残して自殺しただとか、各々の人生観が窺える最期の言葉150選。


 自己のテクノロジー フーコー・セミナーの記録
ミシェル・フーコーほか著  岩波現代文庫 1100円
 アメリカの大学で開催されたフーコーの二つの講義と会見記、及びセミナー参加者の論文五篇を収める。数ある研究書でも殆ど触れられることのない、死によって中断されたフーコーの新しい研究構想の原型がここにある。


 エロティシズム
ジョルジュ・バタイユ著 ちくま学芸文庫 1500円
 バタイユの代表作である本書が新訳にて遂に文庫化。わかりやすい講演も収録されているため、初めてバタイユを読む方にもおすすめの一冊。


 天文台日記
石田五郎著 中公文庫 1000円
 天文学者たちがそれぞれ持っている“自分の星”との対話で綴られた、星たちとの生活記録。


 モンキーアイランド・ホテル
井上一馬著  講談社文庫 590円
 名翻訳家の著者が初めて挑んだ、ミステリ仕立ての作品集。流石の出来。


 男たちの長い旅
結城信孝編  トクマノベルス 838円
 北方謙三・大沢在昌・石田衣良・戸梶圭太らをはじめとする気鋭の作家10人のハードボイルド・アンソロジー。10の物語に凝縮された男の世界がここに。

 日本はどう報じられているか
石澤靖治編 新潮新書 680円
 ヨーロッパ、アメリカ、アラブ世界、中国、韓国のメディアが伝える今の日本の姿を紹介する。日本の意識と世界の常識のギャップに目を向けよう。

 信長と十字架
立花京子著  集英社新書 740円
 信長殺害の裏には自らの勢力拡大をねらうイエズス会の暗躍があった。信長の全国制覇をグローバルな視点で解明する。 


 イラク 戦争と占領
酒井啓子著 岩波新書 740円
 フセイン後のイラクはどこへ向かうのか? イラク戦争終結後13年ぶりに現地を訪れた著者が、アメリカの占領政策の失敗と新体制への模索を浮き彫りにする。


 逆システム学
金子 勝、児玉龍彦著 岩波新書 780円
 経済学と生命科学の分野の二人が、市場や生命という複雑な仕組を解明する新たなパラダイムを提唱する。もう一つの世界観となるか?


芸 術

 芸術と貨幣
マーク・シェル著 小澤 博訳 みすず書房 5000円
 貨幣はいかにして芸術になるのか。聖杯、イコンからコンセプチュアル・アートにいたるまでを縦横に論じ、芸術と貨幣とに内在する共通のロジックを浮き彫りにする。


 サロメ図像学
井村君江著  あんず堂 4200円
 聖ヨハネに附随する副次的人物が、いかにしてファム・ファタール(運命の女)として描かれるにいたったか。王女サロメ像の変遷を、250点余の図版を用いながら考察する。


 黒い太陽と赤いカニ

椹木野衣著 中央公論新社 1800円

 世界はますます混沌としてくるだろう。その時、太郎の「否!」はいっそう暗く、赤い光を上げはじめる。著者渾身の岡本太郎論。


 ブラームス回想録集1 ヨハネス・ブラームスの思い出
ディートリヒ、ヘンシェル、クララ・シューマンの弟子たち著 天崎浩二、関根裕子訳  音楽之友社 1600円
 読めば必ずブラームス本人に会える。直弟子、音楽仲間による証言、日記、手紙など、貴重な歴史的資料をまとめたブラームス回想録の第一弾。


 徳川夢声と出会った
濱田研吾著  晶文社 2000円
 話芸の神様と親しまれた徳川夢声。埋れたラジオ番組を探し、埃にまみれた古本を追い、この往年のマルチタレントの足跡を若き著者が辿る。


 いろは交友録
徳川夢声著  ネット武蔵野 1400円
 昭和28年以来の再刊となる夢声の交友録。岩田豊雄、古川ロッパ、吉川英治、湯川秀樹……といった顔ぶれの豪華さもさることながら、名文家としての夢声にも目をみはるべし。


 興行師たちの映画史
柳下毅一郎著  青土社 2400円
 大魔術、セックス、フリークス、大仕掛け宣伝……芸術としての映画を語るなかれ。興行師たちがつくったエクスプロイテーション(搾取)映画こそ、映画史の本流なのだ。


 勝新図鑑
川勝正幸編  ピエブックス 3800円
 斬りまくる勝新太郎! 愛しまくる勝新太郎! 笑いまくる勝新太郎! 歌いまくる勝新太郎! 鬼レアな図版満載で、頁をめくれば脳内麻薬も炸裂。これは合法的ドラッグの書だ!

実用書

 背番号三桁 「僕達も胴上げに参加してもいいんですか?」
矢崎良一ほか著 竹書房 1238円
 20年以上阪神のブルペン捕手をつとめる選手、何百人もの若虎を見続けた元・寮長、一軍での登板を一度も経験することなく打撃投手へと転じた選手…阪神の優勝はスター選手や監督だけのものではなく、彼ら裏方がいてこその栄光であったのだ。華やかな表舞台の影にいる男たちの様々なドラマを収めた、いっぷう変わった阪神本。


 走って、負けて、愛されて。 ハルウララ物語
重松 清著 平凡社 1400円
 1998年のデビュー以来、一度も一着を取ったことのない競走馬・ハルウララ。負け続けるほどに人気の高まるハルウララの魅力を関係者やファンの声から分析。写真もたくさん載ってます。


 天然わんこ いとしの雑種犬たち
福田豊文、植木裕幸写真  モダン出版 1300円
 チワワもプードルもいいけれど、この本を見れば雑種犬たちの愛らしさに目覚めてしまうこと間違いありません。ペットショップでは出会えない彼らの魅力を是非ご覧下さい。


 お部屋探しのプチ・トリック
鳥海耕二著  アスペクト  1000円
 不動産会社の社長でもある著者による、部屋探し指南書。ペット可物件のはずが、住んだら「不可」に? オートロックなのにセキュリティ効果ゼロ? 後悔なき住生活を送る手助けをしてくれる一冊です。


 医者がすすめる 病気とのじょうずなつきあい方
永井英明著 主婦の友社 1200円
 病気にかからないためにはどうすればよい?またかかってしまったら?現役の医師による、病気とうまく付き合うための本。 


 無痛分娩 マルわかりBOOK
小林みちこ著 メディアート出版 950円
 麻酔を使って行う無痛分娩のガイドブック。無痛分娩の向き不向きや麻酔の種類、無痛分娩を行っている産院の紹介など情報満載。


 スーパーパティシェ辻口博啓のやさしいお菓子
辻口博啓著 ソニーマガジンズ 1500円
 米から作った粉「リ・ファリーヌ」を使って作るお菓子の本。小麦アレルギーの方も使えます。抹茶シフォンやきな粉サブレなど、日本ならではの素材を使ったお菓子も載っています。写真もたくさんで見るだけでも楽しい気分にさせてくれます。本の中で使用するリ・ファリーヌは小麦粉にも代用できます。バレンタインに備え、ひとつレパートリーを増やしてみてはいかがでしょう。

語学・辞典

 英語の耳になれる本 トレーニング編
安河内哲也著 中経出版 1500円
 TOEIC本でおなじみの著者自身の耳で実証した、誰でもゼロから楽しく始めることができる、簡単なリスニングのトレーニング法。一つのパラグラフを、ディクテーション→音読→直読直解→ナチュラルスピードで再び聞くというプロセスを繰り返し行うことによって、英語耳になれることをお約束します。



 これがホントの英語のしくみ
西巻尚樹著 あさ出版 1500円
 前著『英語はほんとに単純だ!』(あさ出版・1400円)で「VSOP英文法」を提唱した著者が、今回は、「今の英文法(いわゆる五文型英語)」と「VSOP英文法」との違いを説明。英米人がつくった今までの英文法の刷り込みから、自分自身を解放できる一冊。

 海外から商品を買うときの英語表現集
曽根田憲三、ブルース・パーキンス著 ベレ出版 1600円
 アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアだけでなく、英語を使えば、アジア、ヨーロッパなど世界各国でインターネットやEメールで買い物をすることができる。様々な状況を設定しているので、個人輸入、海外旅行のショッピングなどにも活用できます。


 英語スピーキングマニュアル
遠山 顕著  DHC 1500円
 「よく使われる」と教わる英語表現でも、どのような印象を相手に与えるものなのかつかめず、結局使わないことが多い。本書は英会話の基礎をもう一度見直し、それをしっかり理解して使えるようになり、基礎とよそいきの2つの話し方を身につけるための本。会話に幅をもたせたい方に最適です。


 梵字・サンスクリット文字の第一歩
山中 元著  国際語学社 1500円
 本書は梵字とサンスクリット文字の関係の解説と、実際に習字ノートで梵字を書いて覚えるという構成になっている。梵字・サンスクリット文字を始める方に。


 中国語のスラング表現
趙 怡華著  明日香出版社 1700円
 今までの中国語会話の本に載っていないスラングや若者ことばを紹介。「花花公子」(プレイボーイ)、「桃太郎」(日本)などは、中国の若者たちにもよく使われており、映画やドラマにも出てきます。また、数字・英語を使った略語、ネット用語も紹介しているので、メールのやり取りなどにも活用できます。


児童書

 お化けの冬ごもり
川端 誠著 BL出版 1300円
 大雪の日、雪女、雪ん坊と雪童子がやってきました。お化けたちと雪がっせんやかまくら作り。そして雪入道までやってきて、雪はますます降り積もります。


 きつねのかみさま
あまんきみこ作 酒井駒子絵  ポプラ社  1100円
 公園に忘れたなわとびを探しに行ったりえちゃんとけんちゃん。ところが、こぎつねたちがなわとびをしていました。しっぽがひっかかっているこぎつねに、りえちゃんはコツを教えて楽しく遊びます。そのなわとびには「りえ」と書かれていましたが、りえという名のこぎつねは、きつねのかみさまにお祈りして見つけたと言います。


 草花とともだち
松岡達英構成 下田智美絵と文 偕成社 1500円
 春がきました。花が咲き、虫たちも忙しそうに動きます。春の野山の花たちがこんなにたくさんあるなんて。山菜料理や草花あそびも書かれていて、自然と一緒になれる絵本です。


 すすにまみれた思い出
アンソニー・ヒル作 マーク・ソフィラス画 池田まき子訳  金の星社 1700円
 オーストラリア先住民・アボリジニと白人の間に生まれた子は、オーストラリア政府によって母親から引き離され、施設や養父母のもとへ強制的に送りこまれました。母の愛の深さ、別れの辛さが身にしみます。文字をもたないアボリジニは、代々語りつがれてきた昔話が生きる上でかかせないものとなっています。訳者池田まき子さんの著書『アボリジニのむかしばなし』(新読書社・1380円)も合わせて読むといいかもしれません。


 狐笛のかなた
上橋菜穂子著  理論社 1500円
 夜名ノ森の端に産婆の祖母と暮らす、人の思いを聞く耳を受け継いだ小夜。幼いときから夜名ノ森の中にある森陰屋敷に幽閉されている小春丸。ある日小夜は犬に追われる狐を助け、危ういところを小春丸に救われました。その狐は、呪者に使い魔にされた霊狐・野火でした。三者の運命は過去からの因縁と権力の渦中にひきこまれます。野火の小夜に対する愛の深さ、小夜のまっすぐな生き方に、読後心静かになるのは私だけでしょうか。著者は『守り人シリーズ』も書いており、オーストラリア先住民・アボリジニの研究者でもあります。