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「未来の書店」
現在書店業界では、ICタグによる商品管理が検討されています。これは万引き対策を主目的としているのですが、実用化された際は、それ以外の多くの問題も解決できる可能性を持っています。
ICタグとはバーコードの代わりとなるもので、リーダーから飛ばされる電波をあて、書き込まれた商品情報を読みとります。電波を使うため離れた位置からでも情報を読みとることができます。
大きさは様々ですが、小さなものはゴマ粒ほどで、紙に漉きこんでしまうことも可能。現在のバーコードはデザイン的に醜悪であるとして、読者や装丁家からは嫌われていますが、ICタグならば、本のデザインも損ねません。
これが本格的に導入された未来の書店は、こんな光景になっているはずです。
まず、店員はお客様からお問い合わせを受けると、手持ちのリーダーを使って、棚に並ぶ多くの書籍から、目的の一冊を探し出します。現在の記憶力と目視に頼って探す方法は担当者でなければ時間のかかることも多いのですが、ICタグを使えば、担当外のジャンルでも、非常に素早く対応できます。
また、レジへお持ちになったカゴ全体にリーダーをあてれば、中身を一度に全て読みとれるため、精算もあっという間に終わります。
これをもっと発展させれば、レジへお越しいただく必要すらなくなるかもしれません。顧客情報を書き込んだIDカードを携帯されているお客様は、そのカードの情報と書籍の情報とを出口のゲートで一度に読みとり、電子的に決済してしまうのです(高速道路のETCのように)。極端な場合、棚から選んだ本をそのままカバンへ詰めて店外へ歩み出せば、その時点で精算完了です。
もちろん、このようなシステムが実際に稼働するまでには、数多くの問題が立ちふさがります。いつこの風景が見られるのか、まだまだ先のことです。
活字離れや少子化など、書店の未来を語るととかく暗い話題になりがちです。
しかし、新しい技術に目を向け、それを利用して自分たちの作業の省力化だけでなく、書店のサービス全体をいかに革新できるのか。そのような意識を持って、現在目の前にある日常業務をこなすのは非常に楽しく、また有意義なことです。
(茸)
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