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誰もが一度は書いたことのある、日記。古代から世界のあちこちで無数の人々によって書きしるされ、現在も無限に書かれ続けている。
逆に、人が書いた日記を読んだこともあるだろう。机の上のノートをこっそり覗かなくても、有名無名の人々の日記がいくつも刊行されている。最近話題なのは、たとえば『植草甚一コラージュ日記』(全二巻・平凡社・各1300円)。映画やジャズの評論で70年代に圧倒的な支持を得た植草氏の、端正なペン字日記が本になった。

『植草甚一コラージュ日記』
平凡社・1300円
変わったものでは『サミュエル・ピープスの日記』(全10巻・国文社・3200円〜8500円)。17世紀のイギリス紳士が10年にわたって書き残した日記で、文学としても史料としても名高い。87年に刊行開始され、途中で訳者の臼田昭氏が逝去するという苦境を経て、今年2004年半ばにとうとう完結予定。
人間が生きている限り、日記は絶えることなく書かれ、また出版されるのだろうか。今回はそのごく一部をご紹介したい。まずは自分で書くための本から。
日記をつける目的には、どんなものがあるだろうか。単純な備忘録、個人史、さらには社会・風俗の記録など、本人の意図はともかく、日記は多くの役割を果たす。その一方で、日記は「続けられないもの」の代表でもある。なんとか続けるための工夫はないだろうか。
作詞家の阿久悠による『日記力「日記」を書く生活のすすめ』(講談社+α新書・780円)では、個人的な記録というよりも、情報の氾濫する現代社会において自分にとって必要な情報を編集し、記録するための媒体として日記を位置づけている。23年間日記を続けてきたという著者がそのためにどのような工夫をしているのか、詳しく紹介されている。
これに対し、詩人の荒川洋治による『日記をつける』(岩波アクティブ新書・700円)では、肩肘を張らない、自分のためだけの日記の書き方を提案している。著者自身は寝る前に「ちょこっとつける」という姿勢を保っており、そのひとときにこそ、日記をつける楽しみがあるのだという。
このような一般的な形の日記以外にもさまざまな日記がある。

『英語で日記を書いてみる』
ベレ出版・1500円
ベストセラーとなった『英語で日記を書いてみる』(石原真弓著・ベレ出版・1500円)は、タイトル通り日記を英語で書こうという趣旨の本。自分の考えを英語で表現したいと思っても、日常的にはなかなかその機会がない。日記を題材とすれば気楽に書いていけるから、効果的な訓練ができる。本書には日常生活を表現するために必要な文例が豊富に収録されている。もちろん備忘録や個人史といった日記本来の目的も達成できるから、一石二鳥である。
フランス文学者、鹿島茂の『成功する読書日記』(文藝春秋・1429円)は、読書や映画鑑賞について体系的な知識を築くための手段として読書日記を挙げている。書名、著者名をメモする程度でも、量が増えればその記録自体がさらなるコレクションを要求するようになり、鑑賞眼、批評精神が養われていく。また、後々その記録を読み返すことにより、その本を読んだときの記憶が蘇り、個人史としての役割も果たす。これまた一石二鳥の日記の例である。

『個人ホームページのカリスマ』 講談社・1500円
日記といえば、個人的な日記をインターネットで公開している人も多い。ホームページは作ったもののコンテンツが思いつかない、といった場合に、毎日なにかしらの話題を提供できる日記の特徴が重宝されているようだ。内容によっては、それが巨大メディアへと変貌を遂げることもある。『個人ホームページのカリスマ』(金田善裕著・講談社・1500円)には、日記を含めて、個人の運営する巨大サイトを紹介している。個人史であると同時に、社会・風俗を映す鏡であり、なおかつ巨大メディアとなってビジネスの手段ともなる。これまでの常識を超える形で進化した「日記」の姿を見ることができる。
巷にあふれる日記帳のたぐいを手にとられたことはおありだろうか。毎日かかさず書いているという方は、これでないと、という定番があるかもしれない。各社は趣向をこらし、定番になろうと努力している。
高橋書店の『中型当用新日記』(2004年版1600円)には、毎日ひとつずつ短歌か俳句と豆知識が添えられている。過去と未来を見つめたい方には、博文館の『三年連用ダイアリー』(2700円)『五年連用ダイアリー』(2800円)『十年連用ダイアリー』(3980円)。去年の自分、3年前の自分が何をしていたか、何を思っていたかが一目でわかる。中には『石原8年誌』(石原出版社・3619円)のような、時間の切りとり方にこだわりのある日記も。
同じ三年連用でも『花日記』(婦人之友社・1714円)は園芸記録も残せる。美しい花の挿画がふんだんにあり、書きしるす字も丁寧になるかもしれない。

『書きこみ式いいこと日記』
マガジンハウス・1100円
目的別の日記なら、毎日の献立の載った『主婦日記』(婦人之友社・八三八円)。主婦の覚え書きといった感覚である。『書きこみ式いいこと日記』(マガジンハウス・1100円)は、夢ノートに自分の叶えたいささやかな夢を綴ることでひとつひとつ実現させていく、ポジティブな生き方指南で有名な中山庸子氏の新作。著者自身二十年来続けている「いいことをメインに日記をつける」方法を『「なりたい自分」になれる 中山式「いいこと日記」をつけよう』(マガジンハウス・1100円)にまとめているうちに、専用の日記帳があればいいね、と思いついて完成した。
何ものにも縛られず日記が書きたい、という方には『白い本』(二見書房・952円)。箱入りの立派な本の中身は全くの白である。縦でも横でも斜めでも、字でも絵でも何でも自由に書ける。

『文庫手帳』
ちくま文庫・580円
おなじみの文庫本の中身が日記帳というものもある。新潮文庫の『マイブック』(324円)は、新潮文庫の装丁だが中は毎日の日付しかない。角川文庫の『memo2004マイメモリー文庫』(343円)、集英社be文庫の『My Note2004』(381円)は可愛らしいつくりである。ちくま文庫の『文庫手帳』(580円)は罫線つき。安野光雅氏の装丁が美しく、書店員にもファンは多い。

『ピーターラビットのあかちゃん日記』
福音館書店・1200円
赤ちゃん成長記録には育児日記がある。絵本作家や漫画家の手になる微笑ましいものが多い。『あかちゃん日記 ママからあなたへ』(いもとようこ著・講談社・品切)『赤ちゃん日記』(さくらももこ著・小学館・1500円)『ピーターラビットのあかちゃん日記』(福音館書店・1200円)など。
少し変わったところで『質問ダイアリー』(稲葉憲仁著・パルコ出版・1456円)。世界中で誰の声がいちばん好きですか?「どこでもドア」があればどこへ行きたいですか? こんなふうに年を重ねていきたいと憧れている人はいますか? など365の質問に答えていくことで自分の心の中を覗き、もうひとりの自分に出会う。
ここからは読むための日記をご紹介したい。
日記といえば王朝の日記文学。「和泉式部日記」「更級日記」など、古典の時間に習った名前がすぐに思いうかぶ。
『王朝女流日記を学ぶ人のために』(久保朝孝編・世界思想社・2233円)によると、日記文学の最初の作品は「土佐日記」で、女流日記は「蜻蛉日記」だという。『土佐日記』(三谷栄一訳注・角川文庫・380円)は、紀貫之が土佐から都までの紀行を、女性に仮託して日毎に綴った日記である。

『王朝女流日記を学ぶ人のために』 久保朝孝編・世界思想社・2233円
『蜻蛉日記』(與謝野晶子訳・平凡社ライブラリー・971円)は日毎に記されてはいない。藤原兼家の妻、道綱の母である著者の自伝に近い。『和泉式部日記』(全三巻・小松登美訳注・講談社学術文庫・上1150円、中860円、下620円)にいたっては、主人公が「女」という三人称である。なのになぜ「日記」とよばれるのか。『王朝女流日記文学』(伊藤 博、宮崎荘平著・笠間書院・1600円)は「日付にしたがって日毎のことを記しているから日記というのではなく」「事実のありのままの記録である」としている。日記文学とは何かと考えるのは、日記の本質を問い直すことになるだろう。
日記文学は文庫になったものも多く、気軽に読むことができる。源氏物語の作者による『紫式部日記』(池田亀鑑校注・岩波文庫・300円)。菅原孝標女が京へ上り、恋愛・結婚を経て一人になるまでの『更級日記』(西下経一校注・岩波文庫・300円)。悲劇の中宮建礼門院に仕え、自らは平家の公達らとの恋に心を燃やした女流歌人の『建礼門院右京大夫集』(久松潜一、久保田 淳校注・岩波文庫・600円)。亡夫の遺産を守るため鎌倉に赴いた阿仏尼の『十六夜日記・夜の鶴』(森本元子訳注・講談社学術文庫・800円)。後深草院二が奔放な男性遍歴を綴る『とはずがたり 上下』(次田香澄訳注・講談社学術文庫・上1450円、下1500円)。何種類か出ているものもあるので、訳や注の好みで選びたい。
簡単に内容を知るなら、「マンガ日本の古典」シリーズの『とはずがたり』『和泉式部日記』(いがらしゆみこ著・中公文庫・各590円)をすすめたい。平安時代の女性の生涯は、漫画で読むとかなり刺激的である。

『和泉式部日記』 いがらしゆみこ著・中公文庫・各590円
『蜻蛉日記・更級日記・和泉式部日記』(三角洋一編・新潮社・1300円)には、日記の写本、情景を描いた絵巻などが多数掲載され、遠い時代にうっとりと思いを馳せることができる。
さらに多くの日記を知るには、『百代の過客 日記にみる日本人 上下』(ドナルド・キーン著・朝日選書・上1214円、下1300円)がよい。日本文学研究で知られる著者が、平安初期から幕末まで有名無名の日記80篇を読みとく。
『王朝女流日記必携』(秋山虔編・学燈社・1700円)は「女流日記生活事典」や「作者年表」などの資料が充実していて、手元にあると安心である。
日記は歴史研究の貴重な史料でもある。文献史料には主として古文書と古記録があり、日記は古記録にあたる。『古記録』(飯倉晴武著・東京堂出版・2900円)によれば、古文書は受信者に用件や意思を伝達するため作成されたのに対して、古記録は個人の備忘として書かれたものだという。
史料というと堅苦しいが、『中世の日記の世界』(尾上陽介著・山川出版社・800円)には、古記録をめぐる興味深い話題が紹介されている。日記が具注暦という巻物のカレンダーに書かれ、紙が足りなくなると反故や手紙の裏がつぎ足されたこと、貴族たちは子孫に家職の作法を伝えるために日記を書いたこと、しかしやはり自分の感情や秘密なども記していたことなど、日記を通じて中世が身近に感じられる。

『中世の日記の世界』 尾上陽介著・山川出版社・800円
実際にこのような日記の原文を読むには、『大日本古記録』(東京大学史料編纂所編纂・岩波書店)、『史料纂集』(続群書類従完成会)、『史料大成』(臨川書店)といった翻刻が利用できる。ただ、研究者でもないのに漢字の羅列から内容を理解するのは至難の業。大学用の教材を公刊した『古記録学概論』(齋木一馬編著・吉川弘文館・2200円)は概論のあとに演習教材が掲載されている。30の著名な日記の本文、釈文、注解のほか、いくつか現物の写真もあり、古記録としての日記に気軽に触れることができる。
『日記が開く歴史の扉』(京都大学総合博物館編・思文閣出版発売・1600円)は、京都大学総合博物館が所蔵する日記を編集発行したもの。平安期から幕末までの日記の図版がカラーで掲載され、解説と釈文が収録されている。
小説家の日記といって真っ先に思い出すのが、永井荷風の『摘録 断腸亭日乗 上下』(岩波文庫・上巻760円 下巻700円)。断腸亭とは荷風の別号で、荷風の住んだ大久保の家の名。日乗は日記、つまりは荷風の日記である。荷風の38歳から死の直前の79歳まで、実に40余年に及ぶ日記が収められている。岩波文庫版は摘録ではあるが、その記述事項の綿密さには驚かされる。
続いては正岡子規の『仰臥漫録』(岩波文庫・460円)。脊椎カリエスに侵され病の床についた子規が、迫り来る死の影と戦いつつ綴った日々の記録である。その日口にした食べ物について事細かに書き記しているのが印象的であり滑稽でもあるが、病人の数少ない楽しみのひとつが食べることなのだという事実の切なさが、読み進むうちにじわりと染みてくる。
夏目漱石の『漱石日記』(岩波文庫・560円)は、全集では800ページをも占める日記をまとめたもの。イギリス留学期に記されたものや明治終焉時に書かれたものなど、漱石の人生の節目となった時期の日記を七篇収録している。
太宰治は日記や書簡をもとに多くの作品を書いた。彼の代表作の一つである『斜陽』(新潮文庫・324円)のもととなったのが『斜陽日記』(小学館文庫・.457円)。著者の太田静子は作家太田治子の母で、太宰と書簡を交換する中で生まれたのがこの日記である。『斜陽』と読み比べてみるのも面白いのではないだろうか。
同じように作品化された日記に、重松静馬の『重松日記』(筑摩書房・2400円)がある。1945年8月6日に広島市で原爆被爆した前後から、敗戦を知った8月15日正午までの10日間の実体験を記録した被爆日誌は、井伏鱒二の記録文学『黒い雨』(新潮文庫・590円)の第一資料となった。
内田百閨w増補版 恋文・恋日記』(ベネッセ・2200円 絶版)では後に妻となる友人の妹・清子への恋慕が日記の中で吐露されている。友人宅で清子の姿を見て一喜一憂する様は我々と少しも違わない。
最近若い女性の間で話題になっているのは『富士日記』(全三巻・武田百合子著・中公文庫・各933円)。夫である作家、武田泰淳との、富士山麓での12年間の暮らしを綴っている。季刊誌「クウネル」(マガジンハウス)において、著者の娘であり写真家でもある武田花氏によって紹介され、関心が集まっている。文体がとても親しみやすく、清々しいような気持ちになれる本である。表紙の画は武田泰淳によるもの。

『富士日記』 武田百合子著・中公文庫・各933円
作家の妻の日記といえば、坂口安吾の妻三千代の『クラクラ日記』(ちくま文庫・760円)もおすすめしたいが、この日記には日付がない。
女性の日記の代表格といえば、『樋口一葉日記』(岩波書店・60000円)。これは夭折した作家・一葉の日記の3巻セットで、美しい筆字のままの収録である。
一葉の日記は『ザ・一葉 愛蔵版』(第三書館・1600円)でも読むことができる。ほかに、林芙美子の『放浪記』(新潮文庫・743円)、野溝七生子の『アルスのノート』(展望社・2400円)、海外のものでは『ボーヴォワール戦中日記』(西陽子訳・人文書院・4800円)、『アナイス・ニンの日記』(原麗衣訳・ちくま文庫・1300円)、ヴァージニア・ウルフの『ある作家の日記』(神谷美恵子訳・みすず書房・3800円)など、どの日記にも書き手が作家として、また女性として生きた日々が鮮やかに綴られている。

『ある作家の日記』 神谷美恵子訳・みすず書房・3800円
最後に全集に含まれている日記を紹介したい。先にも挙げた夏目漱石の日記は『漱石全集 第19巻』(岩波書店・3400円)でも読める。その他、『志賀直哉全集 11〜14巻』(岩波書店・各4200円)、『高村光太郎全集 第13巻』(筑摩書房・5631円)、『澁澤龍彦全集 別巻一』(河出書房新社・5631円)『稲垣足穂全集 第7巻』(筑摩書房・4800円)など、枚挙にいとまがない。公開を前提とした小説を書きながら、自分のための日記をも書かずにいられない小説家とは、なんだか不思議な人たちである。
現代、第三者が他人の日記を目にするのはホームページ、メールマガジン、書籍の順かもしれない。インターネットで発表されたものが評判になり、書籍として刊行されることもある。
例を挙げると、マンガやエッセイで注目を集める辛酸なめ子の初めての文章集『自立日記』(洋泉社・1500円)は、インターネット上で発表された「女・一人日記」からの抜粋である。作家よしもとばななの公式ホームページの日記も、『よしもとばななドットコム見参!』(新潮文庫・476円)、『ミルクチャンのような日々、そして妊娠!?』(同・438円)、『子供ができました』(同・438円)の3冊に文庫化された。
今までは、作家が小説を発表して有名になり、のちに日記も公開されるのが普通だった。たとえば山田風太郎の作家デビュー前夜の日記を、いま我々は『戦中派不戦日記』(講談社文庫・952円)『戦中派焼け跡日記』(小学館・2095円)『戦中派闇市日記』(小学館・2300円)で読むことができる。

『戦中派闇市日記』
山田風太郎・小学館・2300円
ところが昨今では、インターネット上で日記を発表し、それが話題になり作家としてデビューするという逆のパターンが増えている。インターネットの普及により、発表する読み物としての「日記」というジャンルが出来つつある。かつて日記を書いたことがある人のほとんどはそれを人に見せることがないだろう。また、人に見せようと思って書いたことなどなかったであろう。むしろ日記を人に見せるのを恥ずかしがって隠そうとするに違いない。それは、日記が自分の主観のみによって書かれており日記の書き手個人の内面や行動の克明な記録であるからだ。日記は書き手の姿をリアルに映し出す。インターネットというツールを得たこれからの日記はどのような進化をとげるのであろうか。
ネットコラムニストとして注目され小説を発表した田口ランディは『ぐるぐる日記』『くねくね日記』(ともに筑摩書房・各1600円)を刊行している。田口ランディは作家として活躍する一方、インターネット上でも精力的に文章を発表し続けている。

『未読王購書日記』
未読王・本の雑誌社・1800円
インターネットで発表されて書籍にまとめられた、名古屋の未読王の『未読王購書日記』(本の雑誌社・1800円)は読書録や書評集ではない。買った本の書名を挙げているだけで読んではいないのである。書評家の日記といえば目黒考二の『笹塚日記』(本の雑誌社・1600円)『笹塚日記 親子丼篇』(本の雑誌社・1600円)がある。書評家の日常や読んだ本が綴られている「笹塚日記」は現在も雑誌「本の雑誌」で連載中である。
もう一つ注目の書評家の日記は、なんと体脂肪率40%という藤田香織の『だらしな日記』(幻冬舎・1600円)である。これが好評だったため、第2弾にあたる『やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記』(幻冬舎・1600円)も刊行された。
最後に、文と絵が並んだ絵日記を紹介したい。子どもが描いた絵日記は、戦中・戦後のものがいくつか刊行されている。『絵日記 少女の日米開戦』(西川久子著・草思社・1553円)、『昭和二十一年八月の絵日記』(山中和子著・トランスビュー・1500円)、『こどもたち こどもたち』(もりよしこ、もりひでぶみ絵日記・近代出版・1600円)など、微笑ましい絵と文章を眺めていると、時代背景の暗さがより感じられてくる。

『こどもたち こどもたち』
もりよしこ、もりひでぶみ絵日記・近代出版・1600円
絵と文のプロといえば、漫画家。東海林さだおの『某飲某食デパ地下絵日記』(文春文庫・705円)やさくらももこの『のほほん絵日記』(集英社・1200円)には、それぞれの漫画に通じるおかしみがある。藤原マキの『私の絵日記』(学研M文庫・740円)は夫である漫画家つげ義春との日常を描き、しみじみと味わい深い。
絵本作家の創作絵日記というのもある。『くもの日記ちょう』(長 新太著・ビリケン出版・1600円)は、その名のとおり雲が描いた(!)日記。同じく長新太の『絵本画家の日記2』(BL出版・1000円)には、彼の日常がフシギな絵と文で綴られる。鮮やかな色と「ぼく」のささやかな生活が印象的なのは、『ぼくがつぼくにちぼくようび』(荒井良二著・平凡社・1200円)。『椰子・椰子』(川上弘美著・山口マオ絵・新潮文庫・476円)は、人気作家と人気イラストレーターによる嘘日記。子供をたたんで押入れにしまう方法、あなたも日記をつければわかるかもしれません。

『椰子・椰子』 川上弘美著・山口マオ絵・新潮文庫・476円
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