書標 2007 .4月号
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 レポート ジュンク連続トークセッション

池袋本店4階喫茶で開催されましたトークセッションの概要をご紹介します。(敬称略)

2月22日(木)
「記憶の中の母の味」
弓田亨 (イル・プルー・シェル・ラ・セーヌオーナー・パティシエ)小若順一 (食品と暮らしの安全基金代表)
 代官山でフランス菓子店を営んでいるパティシエ弓田亨さんと、食品と暮しの安全基金の代表である小若順一さんに、食品と料理についてお話頂きました。弓田さんは、近年食材が変化してきたことに警鐘を鳴らし、小若さんもそれに頷きます。栄養素の減ってしまった美味しくない食材を、では一体どうすればいいのか。そこで弓田さんの新刊『記憶の中の母の味』(イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ刊行)で紹介された画期的な調理法に、会場中があっと驚きました。野菜の皮はむかなくていい、出汁の煮干は入れっぱなし、お米もとがなくて十分、と既成概念を破る料理は、こくがあって身体の内から温まる、これこそ日本人の忘れかけていた記憶の中の味なのでしょう。
 ラストには弓田さんの用意してくださったおにぎりに舌鼓を打ち、大満足の一時間半でした。

『記憶の中の母の味』(弓田亨・椎名眞知子著・イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ・2940円)


3月10日(土)
「集合住宅の時間」
大月敏雄 (東京理科大学助教授)
 集合住宅は、時間の経過と共にその価値を失なってしまうのだろうか?
 この日の話し手は、大正から昭和初期までの集合住宅を研究されている大月先生。
 私達が少なからず持っている、いずれは一戸建てマイホームを持つべしという住まいへの価値観が戦後作られた歴史の浅いものであることと、人が暮らす事で時と共に価値を増して行く住まいの本当のあり方を、ふるびた集合住宅の紹介を通して教えて下さった。

『集合住宅の時間』(大月敏雄著・王国社・1995円)


3月15日(木)
「第十二回 元木昌彦のノンフィクション養成講座」
元木昌彦 (編集者)、ゲスト 重松清 (作家)
 昨年の11月よりホテルにカンヅメ状態だという重松さんは、この日、翌日の夕方に届けられる新聞原稿の締め切りを控えるという、過密スケジュールの中ご来店いただいた。
 トークは重松さんの出版社勤務時代のエピソードから始まった。雑誌という媒体が、時間と空間(スペース)という制約のもとで、いかにいい原稿をつくるために努力してきたのか、というお話であった。
 トークのテーマは、インターネットの登場による状況の変化、そして、いかに読ませるか、という話題へと移り、マスコミと、そこから情報を受け取るわれわれについてまで広がっていった。
 マスコミからの情報について、われわれは、「信者」になるのではなく、「ユーザー」になれ、と重松さんはいう。たとえば、同じ新聞をただ読み続けるのではなく、論調、スタンスの違ったいろいろな新聞(いまはインターネットで手軽に読める)に目を通すことなどにより、広い視野をもった個人的な意見を一人ひとりがもてるようになればいい。
 こう語ったあと、重松さんがなぜフリーライターから小説家へと進んだのかについて明かしてくれたころ、この日満員のトークは終了の時間にさしかかっていた。
 (本連続トークは12月で最終回となりました。大盛況の中終わることができたのも、ご参加下さいました皆様のおかげです。一年間、まことにありがとうございました)


3月17日(土)
「不良中年のボケ方」
嵐山光三郎 (エッセイスト)、赤瀬川原平 (作家・赤瀬川書店店主)
 赤瀬川さんの(ミニ)遅刻にも動じず、嵐山さんが一人語りで始められたこの日のトーク。実にその7割を占めたのが故・深沢七郎の武勇伝である。
 原稿料を庭に投げ捨てたり、舞台小屋で働く合間に物を書いたり、執筆活動で生計を立てられるようになっても今川焼きを商ったり、と、話は尽きない。
 素敵な不良中年(?)の赤瀬川さんと嵐山さんだが、それはお二人が理想とする、深沢七郎という強烈な個性を持つ不良中年の存在があったからなのではと思わせた。笑って、笑って、最後にスッキリとする楽しいトークだった。




赤瀬川原平書店支店のご案内

三宮店    4月10日~5月10日
大分店    2月上旬~4月下旬

赤瀬川原平書店トークセッション今後の予定 (会場は池袋本店4階喫茶です)

4月21日(土)14時~
山下裕二(明治学院大学教授・美術評論家)×赤瀬川原平
「いろいろ応援したい」※満員御礼 お申込ありがとうございました。

5月20日(日)14時~
高梨豊(写真家)×赤瀬川原平
「被写体の匂い」


※お申し込みはジュンク堂書店池袋本店1階サービスコーナーと、お電話(03-5956-6111)で受付致しております。お申し込みは先着順となります。