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世界には、いったい何種類のお菓子があるのだろう。ショーウインドウに整然と並ぶその姿は、宝石に喩えられるほど美しい。我々は長い歴史をかけてお菓子を進化させてきた。それほどまでに人々を惹きつけて離さないその魅力とは、いったい何処にあるのだろう。霊長類の生態学研究では、人でもサルでも新生児に甘味を含ませると笑顔を見せるという。甘味は身体に必要なエネルギーの味わいであり、疲れると甘いものが食べたくなるのはそのせいなのだ。『おやつ処方箋』(竹島ぽてち著・ロングセラーズ・1,200円)は、そんなお菓子の医学的な効用を紹介する。脂肪燃焼・疲労・抜け毛には都こんぶ。初期の風邪・冷え性・食欲不振にはガーリックポテトチップスが効くという。日本人の年間医療費は一人あたま約37万円、カッパえびせんに換算するとなんと3786袋だそうだ。それならお菓子を食べて健康になろう! なんとすばらしい発想だろうか。
失恋してケーキのヤケ食い、これも非常によくあるパターンである。嫌なことがあると、何故か甘いものを食べたくなるのだ。『うれしいお菓子、せつないお菓子』(三浦裕子著・東京書籍・1,680円)は、スウィーツセラピーと称して、嬉しい時にはいちごのロールケーキ、やる気を出す時にはカプチーノケーキ、哀しい時にはチョコレートタルトと、お菓子を心の味方につける方法を伝授する。そう、お菓子は人をしあわせにするのだ。 普段はお菓子を口にしない人でも、今月は贈ったり貰ったりする機会が増えることと思う。新作のケーキが一斉にお目見えする時期でもある。そんな二月をより楽しむために、ここはひとつスイーツ特集と洒落込みたい。
お菓子作りのポイントとは、どれだけパーソナリティーを表に出せるか、何をどのように表現するかにある。そのためには、いくつ抽き出しがあるかが問われる。『お菓子名人、100の抽き出し』(吉田菊次郎著・平凡社・1,680円)は、甘味・香辛料・添加物といった原材料の知識からその周辺情報まで、幅広く百話を収録する。例えばリキュールひとつとっても、どこで生まれ、どのように使われてきたかが、生地との合わせ方や飾りの工夫に影響するのだ。単純なパイやタルトも、添える果物で様々な顔ぶれに変身する。そんな名脇役、果実・ナッツ・野菜を紹介した『お菓子を彩る』(吉田菊次郎著・晶文社・1,680円)と併せて読むと、その奥深く創造的な作業に感動する。作るのも食べるのも、百倍楽しくなること請け合いだ。 シュー・ア・ラ・クレーム、舌を噛みそうだが実はこれ、シュークリームの正式名称である。お菓子を極めようとするとぶつかるのが、このややこしい名称の壁である。だが何故、そんな華麗な名称が付いたかを知ると、それはそれで楽しみが広がるものだ。『洋菓子・和菓子・デザート百菓辞典』(山本候充著・東京堂出版・3,360円)は、2700項目の用語を紹介したお菓子百科。アメリカではクッキーと呼ぶが、イギリスではビスケット、フランスではサブレ、といった具合に、同じお菓子にどんな名前をつけるかでわかってくる文化や国民性もある。『名前が語るお菓子の歴史』(ニナ・バルビエ著・白水社・2,310円)は、お菓子にまつわる伝説や神話、文学作品のエピソードを集めた。クロワッサンの伝説を紹介しよう。17世紀にトルコ軍のウィーン包囲戦の際、夜中にパン生地を練っていた職人が、トルコ軍の足音を聞きつけ、軍に知らせた。その功績を称え、三日月型のパンを焼く許可がウィーン中のパン屋に与えられた。三日月はオスマントルコの象徴である。 お菓子の神様がいることをご存知だろうか。『西洋菓子彷徨始末――洋菓子の日本史』(吉田菊次郎著・朝文社・2,870円)によると、2,000年前、天皇の命で時じくの香の木の実(橘の実)を求めて旅に出た田道間守(たじまもり)が、菓祖神として兵庫県豊岡市の中島神社と和歌山県下津町の橘本神社に祀られているという。西欧では700年前、お菓子のギルドがサン・ミッシェル(大天使ミカエル)を守護聖人と定めた。甘味がいつ現れたかは定かではないが、それは人間の食における大きな変化となった。生存のための食欲から脱し、食文化を形成し始めるきっかけといっても過言ではない。『 お菓子の歴史』(マグロンヌ・トゥーサン=サマ著・河出書房新社・3,675円)は、そんなお菓子と人との歴史を紐解く一冊。国同士の交流があれば、新しい物資や文化が入ってくる。茶や綿織物と並ぶ世界商品である砂糖にスポットを当てて、近代史を大胆に読み解いたのが『砂糖の世界史』(川北稔著・岩波ジュニア新書・819円)だ。大航海時代、植民地、三角貿易、産業革命、その中で砂糖はどんな役割を果たしてきたのか。ややこしかった世界史が、砂糖をキーワードにすると身近でわかりやすくなる。 “神の食物”と呼ばれるチョコレート。それだけでもお菓子として完成されている上、チョコレートケーキ、チョコレートアイス、ココア、と煮ても焼いても良しという優れた素材でもある。『チョコレートの文化誌』(八杉佳穂著・世界思想社・1,995円)は、世界中から愛されるチョコレートがどのように生まれ、嗜好品として広まっていったかを追う。
お菓子はその国の風土、民族と深く結びついて発展してきた。銘菓には物語がつきものであり、それを訪ねて旅をしていくのも面白そうだ。 日本スイーツ界の第一人者であり、フランス・スイスで修行し、帰国後ブールミッシュを立ち上げ、現在同社代表である吉田菊次郎が、至高のお菓子を訪ねる『吉田菊次郎のお菓子な旅』(時事通信社・1,680円)『吉田菊次郎のお菓子に逢いたい』(時事通信社・1,680円)は、パリを起点に、リヨン・ニース・アテネ・プラハ・ウィーン・ベニス……と果てしなく続く旅。はたして、至高のお菓子は見つかるのか。 誰もが心安らぐスイーツの情報を、様々な角度から発信するためのホームページ“cream-dreams.com”から、『 ヨーロッパスイーツ街道』(クリームドリームズ・吉田菊次郎共著・時事通信社・1,680円)が発行された。イラスト、レシピ、エピソードでお菓子の宝庫、ヨーロッパを巡る。フランス、ロワール地方で生まれたワインたっぷりのタルトタタン。その昔、タタンという姉妹が、オーブンの中でタルトをひっくり返したのが始まりだそうだ。じゅっとこげた表面がカラメル状となって、えもいわれぬ香ばしさとほろ苦さが生まれた。そんな誕生秘話を読むほどに、その地方へ訪れてみたくなる。『フランスお菓子物語』(桶川麻子著・東京書籍・1,631円)は、クレープのお祭りや、クリスマスのブッシュ・ド・ノエル、正月のガレットなど、フランスの風習とお菓子の関係、スフレやタルトなどフランスの地方から生まれた菓子のレシピ、はてはフランス女性の台所拝見など、フランスの食文化をお菓子から読み解こうとした興味深い内容。フランスのお菓子の魅力に、どっぷりはまろう。 そのタイトルもずばり『お菓子好きのためのパリ1週間の過ごし方1 2』(小林かなえ著・文化出版局・1,470円、1,680円)は、お菓子の天国をもっと楽しむためのガイド。マルシェに行き、休日ののんびりブランチ。ルノートルでお菓子作りに挑戦し、リュクサンブール公園でお昼ごはん、ル・コルドン・ブルーでレッスン、リッツホテルでケーキ修行と、盛りだくさんな内容。とっておきの店情報や、パリのお菓子のレシピも付いている。 『イタリアの地方菓子』(須山雄子著・料理通信社・1,600円)には、ティラミスやパンナコッタ、マカロンなど、イタリアの地方で生まれ、全世界へ広がっていったドルチェたちが、どこでどんな風に食べられてきたのかが載っている。華美ではないけれど、素朴で古式蒼然としたお菓子たちがイタリアらしい。 『ドイツお菓子物語』(曽我尚美著・東京書籍・1,785円)によると、ドイツのお菓子は基本形の八種類に、果物・クリーム・チョコなどでバリエーションをつけ、いくつものケーキに枝分かれしているという。クリスマスの焼き菓子シュトーレンは、最近日本でも目にするようになった。切り株の形をしたバームクーヘンもドイツ菓子では有名だ。 英国のお菓子の多くは、店で買うのではなく家で手作りするもの。『お菓子を習いに英国へ』(山口もも著・新紀元社・1,680円)は、主婦から習う英国のレシピ。ビクトリア朝から伝わる、ジャムをスポンジケーキに挟んだだけの、ビクトリアサンドイッチなど古いレシピも多い。そして欠かせないのが、紅茶の飲み方や茶葉の選び方。歴史を感じさせる深い味わいである。 アメリカのお菓子は大味であまり美味しくないと思っていたが、『古きよきアメリカンスイーツ』(岡部史著・平凡社新書・777円)を読むと、考えを改めさせられる。アメリカのお菓子は国の成り立ち同様、多くの国、民族からもたらされ交じり合って生まれた。エンターテイメント好きな国民性からか、独創的なアイデアが光る。ブラウニーやパンプキンパイ、大自然の中で自由に創られた古きよきアメリカンスイーツを楽しもう。 マンゴープリンに杏仁豆腐、アジアンスイーツブームは記憶に新しい。日本人にとってどこか懐かしい風味だけれど、やっぱり異国のお菓子たち。その国を知るには、食べるのが一番である。文化や国民性も一緒に味わってしまおう。『3:00PMはアジアのおやつで』(氏家・アマラー・昭子他著・雄鶏社・1,260円)は、日本にも同じようなお菓子があって驚いたり、まったく見たこともないフルーツの使い方に度肝を抜かれたり、意外性の詰まった本だ。 ケーキの中でも、これほど多様で地方の特色が出るものはないのではないか。チーズだけでもたくさんの種類があり、それを使ったチーズケーキとなるとその数は無限だ。『チーズケーキの旅』(山本ゆりこ著・女子栄養大学出版部・1,680円)は、チーズケーキだけを追う旅。イギリスやスイスの寒い国では牛の、ギリシャやスペインの暑い国では羊のチーズが主流だ。しっとり濃厚なドイツのケーゼンクーヘン、ふんわり軽い口解けのフランスのフロマージュブラン、そして忘れてはならないのがイタリアのティラミス。たかがチーズケーキ、されどチーズケーキだ。 最後に、日本の旅をひとつ。お菓子は女子供の食べ物というイメージが強かったが、今では男性でも甘党を堂々と宣言できる時代になった。雑誌ではスイーツ特集が組まれ、コンビニには男性向けのプリンアラモードが並ぶ。男が甘党で何が悪い! と『 第62代横綱・大乃国の全国スイーツ巡業』(芝田山康著・日本経済新聞社・1,470円)は、マロンががつんと旨いモンブランや、泣かせる味名古屋の味噌ロールなど、男前のお菓子を紹介していく。
世界に誇る、日本の菓子。非常に洗練されたそのスタイルや味は、懐石料理を思わせる。抹茶や餡など、和の食材を使った洋菓子も人気だ。
お菓子を題材にした小説は数多くある。いくつかお勧めを紹介しよう。 『ショコラ』(ジョアン・ハリス著・角川文庫・680円)は、映画化され人気となった。不思議な風にのって、ランスクネの田舎村にやってきたローシェとその娘アヌクの物語だ。ローシェは村でチョコレート屋を始め、人々にちょっぴりのしあわせを届ける。「お菓子づくりだって、一種の魔法だ」名ゼリフである。 『4時のオヤツ』(杉浦日向子著・新潮文庫・540円)は、不思議なタイトルが気になる。4時とは中途半端だ。午前にせよ午後にせよ、深夜でも明け方でもなく、夕方でも昼間でもない。そんな半端な時間につい口寂しくなるのは、空腹のせいだけではない。ほんの少し足りない気持ちを甘酸っぱく綴った、極上の短編集。 表紙にシュークリームのイラスト。ストーリーにも大きく影響する、このお菓子に要注意だ。『幸福な食卓』(瀬尾まいこ著・講談社・1,470円)は、家族の大切さをしみじみと感じる小説。父さんが自殺に失敗したときも、母さんが家を出たときも、朝は普通にやってくる。あなたの大切な味は、なんだろうか。 子供の頃絵本で何度も読み返した味が、誰にでもひとつはあるのではないか。子供は甘いものが好きだからか、その存在自体が夢だからか、お菓子と童話は非常に相性がいい。そんな絵本に登場するお菓子を再現しようとした『 絵本からうまれたおいしいレシピ』(宝島社・各1,365円)は発売されるや大好評となり、第3巻まで続く人気シリーズとなった。読み聞かせからもう一歩進めて、親子で絵本の世界を味わってみよう。子供たちのおやつだったこげたパンがおいしいと評判になった『からすのパンやさん』(加古里子著・偕成社・1,050円)に登場する、いろんな形のおいしそうなパン たくさん作ってずらりと並べて、パン屋さんごっこをするのもいい。『ぐりとぐら』(中川李枝子著・偕成社・840円)に出てくる、ふっくら焼いたカステラは、とっても簡単なレシピでできてしまう。『ちびくろ・さんぼ』(ヘレン・バンナーマン著・瑞雲舎・1,050円)で、バターになってしまったトラをたっぷり使ったホットケーキ、さぁ何枚食べられるだろうか。『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール著・評論社・1,260円)に登場するたくさんのお菓子の中からは、フルーツチョコレート。さすがにずっとなくならない飴玉や、1枚でフルコースが味わえるチューインガムは実現できなかったが、技術が進歩すればもしかすると……。 大人向けには、『童話の中のお菓子たち』(クリームドリームズ著・時事通信社・1,680円)。イラストがかわいくて、読み物としても面白い。こちらは童話のあらすじと、そこからイメージしたお菓子のレシピが紹介される。シンデレラのかぼちゃのムース、人魚姫のゼリーなど、どうしてそのイメージが出てきたか、読んでいくと納得する。お菓子の持つ、想像力をかき立てる作用を楽しむ本だ。 『赤毛のアンのお料理BOOK』(テリー神川著・ブッキング・2,940円)は、眺めているだけでモンゴメリ時代にタイムスリップできる。1800年後半から1900年前半に出版された、クックブックを集めて研究した一冊である。どっしりと重厚で、見るからにあま〜いお菓子たち。レモンパイにチェリーパイ、これこれ、これが食べたかった。美味しそうな食べ物の描写は、いつまでも記憶に残る。それも傑作の条件かもしれない。 すこし趣向を変えて『音楽が聴こえてくるお菓子』(三浦裕子著・海鳥社・1,890円)は、同時代に同じ場所で生まれたお菓子と音楽には、その時代共通の香りがあるはずと、ふたつの関係を探る。モーツアルトがウィーンに向かう途中立ち寄った、リンツという町。リンツァートルテという、ジャム入りの焼き菓子が有名な町だ。後にモーツアルトはリンツの名を付けた交響曲を作曲するが、リンツァートルテの味はきっと彼の思い出にあっただろう。交響曲を聴きながらお菓子を齧れば、これまで気付かなかった味わいや香りに、出会えるかもしれない。
では最後に、夢を生み出す職人パティシエとその世界について紹介しよう。 菓子だけでなく、料理人の祖とも言える存在をご存知だろうか。『宮廷料理人アントナン・カレーム』(イアン・ケリー著・ランダムハウス講談社・2,520円)は、タレーランやナポレオンといった時代を代表する人物に仕えながらフランス料理を世界に冠たるものにした、王の料理人にして料理人の王の生涯を描く。天才製菓職人でもあった彼は、今日のフランス菓子の基礎を築き、様々なレシピを後世に残した。「芸術に五種類ある。その中で最大のものが菓子作りである。」の名言も彼である。 日本には鉄砲とともにカステラやボーロが伝わり、独自の進化を遂げていった。本格的に西洋菓子が入ってきたのは明治以降であるが、それは日本人の食文化に大きな変化を与えた。現代では各国で修行したパティシエが技術を持ち帰り、あらゆる菓子を我々は味わうことができる。今や東京はスイーツ激戦地区であり、本場フランスから視察が訪れるほど世界から注目を集めている。 様々な分野のプロの仕事ぶりを伝えるテレビ番組の書籍版『プロフェッショナル仕事の流儀@』(茂木健一郎編集・日本放送出版協会・1,050円)には、京橋に店を構え、日々菓子と真剣勝負をしている職人杉野英実が紹介されている。お菓子の世界コンクール「クープ・デュ・モンド・ド・ラ・パティスリー」でグランプリをとった彼の菓子は、細部に神が宿ると言われるほど、素材の味が引き立ち繊細だ。厳しく徹底したこだわりが、プロの仕事というものを教えてくれる。 和菓子屋に生まれ餡子で育った少年が、生クリームのショートケーキに衝撃を受け、パティシエになろうと決心する。『スーパーパティシエ物語』(輔老心著・岩崎書店・1,260円)と、『パティシエ世界一』(辻口博啓著・浅妻千映子著・光文社新書・735円)では、そんな少年が世界に飛び出て自由が丘で店を構えるまでを読むことができる。和菓子素材を上手く取り込んだ菓子は、育った味を大切にする彼ならではのスタイル。その並々ならぬ情熱の強さと、惜しまぬ努力で夢を実現していく様子は、パティシエ志願者だけでなく全ての人に勇気を与えてくれる。 料理研究家であり、鎌倉でジャム専門店を営んでいるいがらしろみさんの日々を綴った、『お菓子の日々、ジャム屋の仕事』(いがらしろみ著・DAI−X出版・1,365円)は、就職しないで生きていくことをテーマにした「仕事と生活ライブラリー」の第5弾。スイーツを仕事にするためのヒントがいっぱい詰まった本だ。 では、実際にパティシエになるにはどうすればいいのか。『なりたい!!パティシエ』(DAI−X出版・1,260円)は、その活躍フィールド、仕事の内容、スクール、キャリアアップ、収入や待遇まで、気になる情報が詰まっている。プロのパティシエのインタビューも掲載されており、参考になる。 『 7人のパティシエ――その原点とケーキたち』(高木康政他著・パルコ出版・1,680円)には、高木康政、山本光二、堀江新、桜井修一、中川二郎、佐藤均、寺井則彦ら日本を代表するパティシエが登場し、お菓子への想いを語り自らの原点となったケーキを紹介する。見るも鮮やかな色とりどりのケーキからは、それを作るときの息遣いが伝わってきそうだ。世界で一番短い仕事の本、『お菓子を仕事にできる幸福』(東ハト編・日経BP出版センター・840円)は、キャラメルコーン、暴君ハバネロで有名な東ハトがもともと社員たちに、「好きな仕事を自発的にできるしあわせと大切さ」「個の力を発揮しながら、仲間とチームプレイを完成する重要性」を伝えるために配ったのが始まりで、なんと同社の執行役員であるサッカー選手中田英寿さんが一緒に作った、飛び出す仕掛け絵本である。ほろりと心温まる内容が、お勧めの一冊だ。 お菓子はその昔、祭りや儀式に欠かせないアイテムであり、砂糖が貴重品であった頃は、めったに口にできない非日常の食べ物であった。甘いものを食べることで人々は現実から解放され、明日への活力を得たのだ。その祝祭的な性格は、今でも人間の想像力と深く結びついている。『世界の祝祭日とお菓子』(プチグラパブリッシング・1,680円)を読むと、いかに人々の喜びとお菓子が、密接に結びついていたかをうかがい知ることが出来る。いわば、お菓子はファンタジーである。飽食だなどと目くじら立てずに、存分に楽しもうではないか。それでもカロリーが心配という人には、『お菓子のカロリーBOOK』(主婦の友社・830円)をどうぞ。
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