書標 2007.4月号
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「書標」歳時記 4月

新海苔と出盛りの卵の厚焼、椎茸の甘煮、
根三つ葉を思う存分たっぷり使った太巻の海苔巻。
 卵焼と椎茸と根三つ葉の出会いのよさ。
 生臭みなしの春先の精進の海苔巻の美味しさはまた格別で、
三つ葉の香りにつられて、パックリパックリ
思わず食べ過ぎて後でお腹をさすらなければなりません。
 もう一つお精進のバラずしがあります。
 根三つ葉、蕗、さやえんどう、椎茸、
筍、やわらかい木の芽、錦糸卵、
合せ酢には出はじめの酸味の強い夏みかんを用います。
 成長ホルモンの萌えだす若菜、みかん酢を混ぜ合せたバラずし、
えもいわれぬ香わしい風味は、盛りの
春の味として充分満足していただけると思います。

辰巳浜子著  『料理歳時記』(中公文庫)より