瀬名秀明/最相葉月 共著『未来への周遊券』(ミシマ社刊)。この素晴らしい1冊との出会いから、ジュンク堂書店の店員も、ゆっくりと、ふたりの書き手が 思いを紡ぐ取り組みを始めることになりました。 3回目を迎える今回は、出版社・夏葉社代表の島田潤一郎さんに、いっしょに歩いていただく ことになりました。 夏葉社さんは、吉祥寺。ジュンク堂は仙台ロフト店から。 半年間の言葉の旅が、みたび始まります。 |
![]() この号が出る頃には、夏葉社さんの新しい詩集はもう店に並んでいるでしょうか。 あぁ早く手にとってぱらりぱらりめくって頁の声に耳を澄ませたいです。詩のことは実はよくわからないのですけれど、首を長く長ーくして待っています。待ち遠しいなぁ。どんな詩集なのでしょう。どんな装丁になるのでしょう。 実は詩だけではなく、私はいろんなことがよくわかりません。 いままでよく生きてこられたものだと思います。きっと、ひとに恵まれているおかげだと思うのです。自慢したくなるくらいにすてきなひとがまわりにたくさんいてくれます。その大事な大切な大好きなひとたちが、生かしてくれているのだなぁと、つくづく思います。 その中のひとりに、武田こうじさんという詩人がいます。武田さんの詩で、ひとつ、とても好きなものがあるのです。「夜の途中は朝の途中」という詩です。 「穏やかに受け入れていく夜の途中/お互いがお互いに与えることができますように/穏やかに消えていく朝の途中/奪い合う前に笑い合うことができますように」 朗読を聴くときにはいつも、この詩をたのしみに待っています。なにがどうよいってうまく言えないのがもどかしいのですけれど、気持ちに寄り添ってくれることばに出会えたということは、とてもしあわせなことのような気がします。新しい詩集にも、そんな出会いがあるといいなぁって、わくわくどきどきして待っていますね。 このところぼんやりと考えていることがあるのです。 ひとつひとつの単語自体には意味はあっても、ちからのようなものはなくて、文章や会話や手紙になって、届けたいひとがいて気持ちがあって物語があって、それが読むひと聞くひとの心に届いたときに、ちからになるのかなぁ、って。 それから、実用書じゃなくても、すべての本はきっといつか、役に立つのじゃないかな、って。 教えてもらったこと、見せてもらった世界、たくさんあります。なんて、ややこしいことを書いてしまいましたが、やっぱりよくわからなくて、素直に単純に、ただただ本が好きで、読みたくて、読むとやっぱり、本はいいなぁって思うのです。うふふ。でもきっと、それでもよいのですよね。 いままでにたくさんのことば、たくさんの気持ち、たくさんのちから、たくさんのひとからいただきました。それはどんなごちそうよりどんな薬より、私にはいちばんの栄養でした。本のそばにいなかったら、知り合うことのなかったひとにもたくさん出会えて、たくさんことばをかわして、また会いたいひと、また行きたい街がたくさん増えました。大事な大事な宝物です。 このおたよりのやりとりも、たのしくてしあわせな半年間でした。ありがとうございます。なんだかしんみりしてしまいます。何度も何度も読み返したい本、ずっといっしょにいたい本を、これからも届けてください。それをこの街の本を愛するひとに届けるお手伝いをさせてください。 ずっとずっとここで、島田さんのつくる本が、世界が、やってくるのを待っています。 |





