
お二人はガイガーカウンターで放射能汚染度を測定しながら、郡山・福島・南相馬市へと慎重に歩を進め、福島第一原発から十キロ地点付近にまで至る。結果的に、原発直近の地区よりも、むしろ盆地である福島市内や郡山市内の放射能の値の方が高かったのだ、という。
検証すべきは、原発からの距離だけに基づく、政府の机上の線引きが、どのくらい被害とリスクの実態を反映し得ているか、である。政府がまずなすべきは、被災地の人びとにガイガーカウンターを配布する事であった。そして、何よりも防ぐべきは、事故による事実無根の風評被害であり、事故の結果発生した「放射能難民」と呼ぶべき人びとへの、いわれなき誹謗・差別である。話を聞いた広島の歌手が、「〈ヒロシマ〉と同じだ…」と呟いたという。」
折しも伊勢崎さんは、今年三月に上梓された『紛争屋の外交論』(NHK新書)で、人間による恣意的な線引きの代表といえる「国境」問題を取り上げ、〈ソフトボーダー〉即ち国境線の曖昧化=現在の国境線付近の地域を共同の領地とすることを、提唱している。「政府がアホでも東北は復興する!」無策な国を尻目に力強く始まった復興活動を受け、二人は自信を持って宣言する。
その活動を加速させるために必要なのは、地元にお金をどんどん投入することだ。復興のために力を尽くして働く人は東北にいくらでもいる。大工さんだって、たくさんいる。間違っても、建設業界の談合組織に無駄なお金を落としてはいけない、と具体的で、切実な提言。(難波店 福嶋)
検証すべきは、原発からの距離だけに基づく、政府の机上の線引きが、どのくらい被害とリスクの実態を反映し得ているか、である。政府がまずなすべきは、被災地の人びとにガイガーカウンターを配布する事であった。そして、何よりも防ぐべきは、事故による事実無根の風評被害であり、事故の結果発生した「放射能難民」と呼ぶべき人びとへの、いわれなき誹謗・差別である。話を聞いた広島の歌手が、「〈ヒロシマ〉と同じだ…」と呟いたという。」
折しも伊勢崎さんは、今年三月に上梓された『紛争屋の外交論』(NHK新書)で、人間による恣意的な線引きの代表といえる「国境」問題を取り上げ、〈ソフトボーダー〉即ち国境線の曖昧化=現在の国境線付近の地域を共同の領地とすることを、提唱している。「政府がアホでも東北は復興する!」無策な国を尻目に力強く始まった復興活動を受け、二人は自信を持って宣言する。その活動を加速させるために必要なのは、地元にお金をどんどん投入することだ。復興のために力を尽くして働く人は東北にいくらでもいる。大工さんだって、たくさんいる。間違っても、建設業界の談合組織に無駄なお金を落としてはいけない、と具体的で、切実な提言。(難波店 福嶋)
◆伊勢崎賢治◆
NPOピースビルダーズ代表理事。東京外国語大学大学院「平和構築・紛争予防講座」担当教授。国際NGOでスラムの住民運動を組織した後、アフリカ各地で開発援助に携わる。国連PKO上級幹部、日本政府特別代表として東ティモール、シエラレオネ、アフガニスタンの武装解除を指揮。『武装解除』(講談社現代新書)『国際貢献のウソ』(ちくまプリマー新書)など著書多数。◆篠田英朗◆
NPOピースビルダーズ理事。広島大学平和科学研究センター准教授広島平和構築人材育成センター事務局長。1993年に国連のカンボジアPKO活動で投票所責任者を務める。以降、ロンドン大、ケンブリッジ大、コロンビア大等での研究を経て、現職。著書に『平和構築と法の支配』(創文社、大佛次郎論壇賞受賞)、『国際社会の秩序』(東京大学出版会)など。
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