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書店員が自分で読んで、本当に面白いと思ったたくさんの本から、苦悩の末に1冊を選ぶ「本屋大賞」。
大賞はただ1作ですが、どの本を手に取っていただいても、きっと面白い。
今回は、2008年12月〜2009年11月に発売された日本の小説が対象となります。
どうぞ、10作全ての紹介をご覧頂き、お客様の1冊をお選び下さい。

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天地明察

冲方 丁 著 出版社 角川書店 1,890円(1,800円+税)
当初、雑誌「野生時代」に中編として提出されたが、あまりの内容の濃さから編集部で論争がおこり、長編として日の目を見ることになったというイワクツキです。

江戸幕府碁所の名家に生まれた渋川春海。碁打ちのプロでありながら、数学、天文学に遊ぶ。当時、唐の時代より伝来・採用されていた宣明暦には誤りがあり、いつしか日本独自の暦を作るという大願を掲げた。多くの協力者の支援を得るも、重ねるは挫折の山…。
それでも一途に臨むこと20年余、見事に天地を明察し、ついに新しい暦を打ち立て、幕府に認めさせるまでの真剣勝負。
一回春海の熱意に巻き込まれたら、もう眠れない。
時代小説は著者にとって新ジャンルだが、実在の人物を見事に描ききり、以前からのファンを裏切ることなく、面白い!




神様のカルテ

夏川 草介 著 出版社 小学館 1,260円(1,200円+税)

神業的な技術や設備があっても助けることができない。
そんな患者をこそ救う神様はいる。患者一人ひとりと向かい合う心優しき先生。どう生きて、どう死ぬか。読んだ人の胸に、切なさ、温かさを残し、こぼれる涙。
著者の夏川草介氏は実際に医師でございます。



『横道世之介』

吉田 修一 著 
1,680円(税込) 出版社 毎日新聞社

大学進学で上京した横道世之介の、なんてことのない1年間、なんてことのない日々なのに、どうしてこんなに美しいのだろう。
時は流れ、大人になり、振り返ると世之介の面影は、あなたの思い出の中にもあるかもしれない。


『神去なあなあ日常』

三浦 しをん 著
1,575円(税込)  出版社 徳間書店

三重県の「神去村」。ゆっくりと時間が流れるこの村に、林業の修行に来た平野勇気、18歳。都会で育った勇気が神が住み、祝い、怒る山とそこに住む個性的な人間と向きあっていく姿というとよくある青春小説みたいだけれどそれでいいんだ!三浦しをんの手で綴られることによって物語は命を宿す。


『猫を抱いて象と泳ぐ』

小川 洋子 著 
1,780円(税込) 出版社 文藝春秋

数学をあれだけの空気感を持つ小説にした、小川洋子が今度はチェスの世界を、しずかに美しく、描いた。
チェスがすなわち、人生のすべてであるひとりの少年。ちょっと肌寒い雨の日に、紅茶を飲みながらひっそりとゆっくりと読みたくなる本。


『ヘヴン』

川上 未映子 著
1,470円(税込) 出版社 講談社

あの年齢、14歳のいじめが物語を貫く。その描写には心がえぐられるようだ。
純文学では珍しく、雑誌『群像』に載った時から読者の問い合わせがものすごかった1冊。強烈な「今」が魅力。


『船に乗れ! 1』 合奏と協奏

藤谷 治 著 
1,680円(税込) 出版社 ジャイブ

自らチェロを弾く著者による、音楽専攻の高校生達が悩みもがき、成長していく物語。言葉から音楽が溢れ出してくるのは、ずっとずっと音楽を愛する人から生まれた小説だからでしょう。
本も、音楽も、人の心を揺さぶるところが似ている。(藤谷さんが30年以上をともに過ごしたチェロが盗まれたそうです。どうか、見つかりますように!)


『植物図鑑』

有川 浩 著 
1,575円(税込) 出版社 角川書店

道端に落ちていたイケメンを拾って始まる不思議な恋物語。
植物まみれのお話で、拾われた男子の名前が「樹(いつき)」。
彼は野草に詳しくて、料理にいかすレシピなども出てきます。
どちらかというと、女性におすすめの暖かいお話。
 

『新参者』

東野 圭吾 著
1,680円(税込) 出版社 講談社

舞台は東京の下町、日本橋人形町。加賀恭一郎が女性殺しの謎を追う連作長編です。お煎餅屋さん、瀬戸物屋さん、そんな下町の人々が関わって、人間の気持ちが溢れてくるような読後感。刑事・加賀が抜群に格好良い。


『1Q84 BOOK1 4月−6月』

村上 春樹 著 
1,890円(税込) 出版社 新潮社

不思議な物語が描かれた「空気さなぎ」。小説家志望の青年・天吾はその小説の作者である少女と出会い、やがて1984年の日常から、1Q84年の世界へと足を踏みいれてゆく・・・。天吾と同時進行するもうひとりの主人公・青豆の物語がゆっくりと交差しはじめると、もうページをめくる手がとまりません。