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橋からはじまるドボク系ブックガイド

ジュンク堂の月刊PR誌「書標」。その中に店員が執筆する「特集」コーナーがあります。
今回は、橋などの土木建造物をテーマにして好評をいただいた2010年11月号特集「架×本」を、文章の流れに沿ったブックガイドとして編集しました。
題して「橋から始まるドボク系ブックガイド」。特集で紹介された本を一目でご覧いただけるように並べながら、特集には載らなかった本も追加しています。
また2007年の同テーマ特集「魅惑の巨大構造物」からも数点を追加。それぞれの原文を読みながらお楽しみ下さい。 
原文はこちら→ 書標2010年11月号 書標2007年9月号

ドボク系建築物を愛好する心は、余人に理解され難い。しかし、ある日突然、その美しさに気づく時がくるのだ。そんな幸せを味わうためのブックガイドをお送りする。
ドボク系の素晴らしさ、それは――

ドボク・サミット

《あまりにも日常に存在する(中略)見られていなかったものへの目線》
―『ドボク・サミット』より―

※書影や本のタイトルをクリックすると、それぞれ商品ページへと切り替わります。

橋を知る

このブックガイドが橋から始まる理由は、単に店員の嗜好によるものである。
日常の中で見過ごしていた橋―高速道路の高架橋をも橋と呼びうることに気づいたとき、橋に惚れた。

橋の文化誌
橋の文化誌
ぬかり無き「橋本」(※ハシ・ボンと読む)制覇の基礎。
古代メソポタミアから現代まで架け続けられる橋の歴史、工法や人との関わり方を丁寧に概説し、押さえておきたい ...[続きを読む]
橋の科学
橋の科学
土木工学も力学もやさしく解説。 橋鑑賞者有段への道を架ける。
ブルーバックスシリーズの性格を反映し、主に土木工学、力学の側面から橋の魅力を伝えてくれる。本書で説明された工法を諳ん ...[続きを読む]
もっと長い橋、もっと丈夫なビル
もっと長い橋、もっと丈夫なビル
未知の技術と格闘する技術者たちの物語を堪能できる
橋梁におけるプロジェクトXといった趣。橋を見上げるたびに、姿かたちに一目ぼれするだけではなく、もしくはうっとり見とれ...[続きを読む]
ジンメル・コレクション
ジンメル・コレクション
橋の美しさから果てしない深みへと進むジンメルの思索
社会学者、ゲオルグ・ジンメルは、エッセイの中で橋の「分離したものを結合するという能力 ...[続きを読む]
Bridges 田中賞の橋
Bridges 田中賞の橋
日本の名橋30をあらゆる角度から写した素晴らしき書
隅田川にかかる永代橋、清洲橋など数々の名橋を生み出した田中博士の業績を讃え作られた田中賞。受賞橋から30点を通常では見る ...[続きを読む]
small planet
small planet
ジオラマかと思いきや、実際の風景。その中に溶け込む橋の美
「橋梁写真集」ではない。しかし、何気なく開いている最中に「橋」と出会い、喜んだ。独特の技法により実際の風景をまるでジオラマ模型かのように 錯覚させて ...[続きを読む]

ドボク系写真集総合

視界に入っても意識していなかった景観のうちに、どれだけ豊かな表情が潜んでいたかを知り、驚く。 それは橋だけではなく、ダムや水門、ジャンクションに及ぶのだ。ここでは、写真集の中まで楽しんでもらいたい。

ドボク・サミット ドボク・サミット中身

ドボク・サミット

ダム・団地・工場・ジャンクション・鉄塔・水門。各界のスペシャリストが結集した、これぞ集大成というべき1冊

2008年、武蔵野美術大学において実際に開催された「ドボク系鑑賞マニア」によるサミットの模様を収めたのが本書である。

ダム、団地、工場、ジャンクション、鉄塔、水門といった各界"のスペシャリスト達がそれぞれ鑑賞の魅力と見方をレクチャーする。 視界に入っても意識していなかった景観のうちに、どれだけ豊かな表情が潜んでいたかに驚かされる。 単なるマニアの内輪の盛り上がりに終わっていないのも本書の特徴だ。 ドボク・ブーム(そこに身を置く自らを「浮かれ」とさえ呼ぶ)を内省するディスカッション、例えば、景観設計者からのドボク・ブームへの 考察。本書で扱われるドボク群、つまりインフラストラクチャーは公共の存在であるため、 ...[続きを読む]




写真を堪能したら、ぜひこの本も手にとって下さい。

高熱隧道

高熱隧道

黒部ダム、その景観の礎となった人々の死闘

戦時中に建設された黒部第三ダムに、どんなに多くの人命が失われたことか。 人が死んだことのない場所は存在しないし、土木構造物を単純に見て楽しむことも、まったく批判されることではない。 ただ、殉職者への敬意は忘れない ...[続きを読む]

景観、そして風景へ

ドボク群は公共の存在ゆえに、周辺住民との軋轢や歴史的景観との折り合いなど、常に幾多の問題点をはらんでいる。古くからの「景観」という概念に今、近代技術が生んだ新たな景観―テクノスケープtechnoscape が加えられるのだ。

美しい都市・醜い都市
美しい都市・醜い都市
「美しい」景観とはそもそも何が基準となるのか?
いま最も精力的に活動している建築評論家の一人が五十嵐太郎だ。 「口当たりのいい復古的な景観」にまつわる言説 ...[続きを読む]
テクノスケープ
テクノスケープ
テクノスケープを語ることは都市論であり文化論、社会論でもある
テクノスケープを語ることは単に風景の一形態を語ることではない。 なぜならば《近代都市基盤とは、とりあえず人、物、 ...[続きを読む]
テクノスケープ
テクノスケープ
芸術、デザイン、文学における美学理論まで踏み込む
テクノスケープに対する一般人によるイメージの変遷、また、芸術作品や文学作品のなかでどのように受容されてきた...[続きを読む]
風景学入門

風景学入門

「よい、悪い」の不毛な二元論からの脱却

日本初の高速道路の誕生に携わった景観工学の第一人者が、この分野をより広く一般人にも開こうと試みたのが風景学である。
古今東西の風景論や文学・芸術作品を広く参照するのは勿論のこと、本書の魅力は認知心理学からの知見を十分に反映させていることである。 視覚の働きから科学的に風景の「成り立ち」を分析する。また、彼は景観の捉え方のツールとして「記号学」を援用する。 ざっくり言ってしまえば、風景の見方はそれを語る者が用いる言語(及びその文化背景)に縛られる、ということ。 それは風景論を単に ...[続きを読む]

風景学・実践篇

風景学・実践篇

風景の見方、楽しみ方、語り方の指南書であり、上質のエッセイ

著者による名著『風景学入門』で語られたエッセンスを凝縮しつつ、自身思い入れのある風景について随想する姉妹編。
風景の見方、楽しみ方、語り方の指南書であり、上質のエッセイでもある。 本書を通じて読者は、絵画作品や写真にように額縁の中へと切り取られることのない「風景を見る」という行為への愉しみと喜びを再発見するだろう。 本書の中で「ものづくりを前提としない解釈や目利きも創造と等価である」と、 積極的な受容姿勢にも意義を認めていたことは、読書を愉しむ者にも励ましの言葉として映る。...[続きを読む]

さらに興味を広げるための書籍

ここまでが、ほぼ「架×本」本編で紹介してきた書籍だ。 ただ、限られた紙幅の中で涙を呑んで削ったものもある。 それらを中心に、その先の世界を広げる本をご紹介する。

繰り返しが生むリズムは、
人間を支配さえする
弓と竪琴
弓と竪琴
等間隔に並ぶ橋梁、
それもまた世界に潜むリズム
リズムの本質
リズムの本質
橋を見上げ、閘門から滴る
滝のような水をくぐり
東京水路をゆく
東京水路をゆく
歩道橋、身近なものから斬新なデザインまで
ペ デ まちをつむぐ歩道橋デザイン
ペ デ まちをつむぐ歩道橋デザイン
これもまた、重要な視点
橋はなぜ落ちたのか
橋はなぜ落ちたのか
世界で初めての土木見学イラストルポ
モリナガ・ヨウの土木現場に行ってみた!
モリナガ・ヨウの
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豊富な事例とともに建築の観賞方法を解説
建築鑑賞入門
建築鑑賞入門
日本の、世界の街並みの理由
街並みの美学
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空間と場所を考えるための必読図書
空間の経験
空間の経験

ぎりぎりまで架けてきた本特集、最後に中村良夫が『風景学 実践編』のあとがきで引用した聖人の言葉を紹介して明日の読書への架け橋とかえさせて頂こう。
「それを知る者はそれを好むものに如かず、それを好む者はそれを楽しむものに如かず」
知る者、好む者、楽しむ者。
その誰もがきっと「読む人」でもあるはずだ。
                               ―「書標」2010年11月号「架×本」―